エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.650
2018.04.12 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
「101-TUF GAMING」はどこで製造されているのか。実機による検証を始めるにあたり、In Winの本拠地である台湾に寄り道してみよう。
台湾北西部の桃園市、台湾桃園国際空港から車で約20分ほどの距離に本社を構えるIn Win(迎広科技股份有限公司)。周辺には筐体の製造を行う広大な工場がある。
ここでは馴染み深い自作PC市場向けのPCケースだけでなく、In Winブランド製品である事が公表されないOEM元として、数多くの筐体も組み立てられていた。
桃園市亀山区南上路に本拠地を構えるIn Win。正式名称はIn Win Development Inc.。1985年に設立され、僅か10名の社員によりPCケースの販売が始まった。最新のIR情報によると、現在は600名もの大所帯に成長。コンシューマ向けだけでなく、たくさんのOEMモデルを製造する |
今回工場を案内してくれたホスト役は、セールスマネージャーのAndy Tsai氏とWilliam Lu氏の両名。In Win製PCケースの製造工程や、今後の展開などを詳しく聞いた。これについては別の機会に詳しくご紹介する予定だが、「101-TUF GAMING」を検証するに当たり、そもそもASUSとの関わりについて聞いておく必要があるだろう。
台湾本社と工場を案内してくれた Manager Sales DivisionのWilliam Lu氏(右)とRegional Sales Manager Sales DivisionのAndy Tsai氏(左) |
両氏の説明によると、PC業界では共に実績のあるASUSとIn Winは、ビジネスパートナーとして協力関係にあるそうだ。なるほど「COMPUTEX TAIPEI」をはじめとする展示会では、ASUSブースにIn Winの製品が使われているケースが多いワケだ。
「COMPUTEX TAIPEI 2015」で見る者を圧倒した「H-Tower」。「R.O.G.」コンセプトPCとしてASUSの記者会見で披露されたものの、主役は完全にPCケースになってしまった |
ときには互いに新製品の提案をすることもあるという。今回の主役は、まさにそんな中から生まれたモデル。ASUSが「TUF GAMING」シリーズのラインナップ強化を進めるにあたり、コラボレーションを打診。In Winは既存のミドルタワーPCケース「101」を提案したところ、これが実現して「101-TUF GAMING」が誕生した。
誰もが抱いたであろう、なぜASUSを象徴する「ROG」や「STRIX」ではなく「TUF GAIMING」シリーズなのか?という素朴な疑問はこれで解消できた。
取材・撮影はOKながら、掲載はNGが多い工場内。特に詳細をお伝えする事ができないのがこのエリア。なお工場見学記は別の機会に詳しくお伝えしよう |
最後に、今回台湾工場に同行したIn Win国内正規代理店の株式会社アユート(本社:東京都文京区)・森田氏に、販売の立場から「101-TUF GAMING」のセールスポイントを聞いた。
In Win台湾本社および工場見学に同行した、お馴染みの株式会社アユート・森田氏。「PCケースとマザーボードのデザインがよくマッチしているので、魅せるPCのベースセットとしてオススメです。好みのRGB LED対応パーツと組み合わせて自作を楽しんでほしい」 |
森田氏曰く「TUF GAIMING」シリーズはコストパフォーマンスに優れるため、「ミドルレンジに位置する『101』をベースモデルにする事で、導入コストを抑える事ができる」と話す。
確かに上位「909」シリーズと「ROG」では、かなり高価な組み合わせになってしまう。両者のコストバランスが考慮されている辺り、マーケティングを視野に入れたコラボレーション企画である事がよく理解できた。