エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.652
2018.04.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
最後に消費電力を確認しておこう。今回は純粋なCPUの消費電力を確認するため、「CINEBENCH R15」実行時の最大値を高負荷時に設定。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を採用し、計測にはログを取得できる“Wattup Pro”を使用している。
省電力機能によってクロック、電圧とも引き下げられるアイドル時はCore i7-8700Kが45.1W、Ryzenシリーズはいずれも50W前後でその差は5Wとわずか。性能を重視するハイエンドPCでは十分無視できるレベルだ。一方、高負荷時の消費電力を確認するとRyzen 7 2700XはRyzen 7 1800Xより20W、Core i7-8700Kとの比較では70Wも増え、コアクロックを引き上げた事による影響がかなり大きいことを伺わせる。とは言え、最大でも211.1Wとメインストリームプラットフォームとしては常識的な範囲。ミドルレンジクラスのグラフィックスカードなら500W~600W、ハイエンドグラフィックスカードでもシングル構成なら800Wクラスの電源を用意すれば十分賄うことができる。
AMDでは、冷却性能を確保するため、一部のCPUでファンの制御に使うTctlを高く設定しているが、Ryzen 2 2700Xでは+10℃、Ryzen 2 2600Xは同じ温度を表示していた |
また今回はRyzen 7 2700X、Ryzen 5 2600Xともリファレンスクーラーを使い検証を行っているが、高負荷時の最高温度(Tdie)はそれぞれ67.75℃と75.50℃。特に「Wraith Prism」の冷却性能は優秀で、定格運用はもちろん比較的ライトなオーバークロックでも交換する必要はなさそうだ。なおファンの制御に使うTctlと、実際の温度Tdieの差を確認したところRyzen 7 2700Xは+10℃、Ryzen 5 2600Xは違いがなかったことを付け加えておく。
「RYZEN MASTER」のTemperatureはTctlのため、Ryzen 2 2700Xでは10℃高く表示されることを覚えておこう |