エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.656
2018.05.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
特徴的な外観デザインをチェックしたところで、次に内部構造を確認していく。「VIEW 37 RGB」の象徴であるガルウイングウィンドウパネルは、見た目の開放感のみならず、内部へのアクセスを良好にしている。シャーシ側トップパネルを無くす事で、本来の冷却ファンおよびラジエターの増設スペースを手放した格好だが、これを設計が補い、有益なトレードオフが成立している。
ガルウイングウィンドウパネルを取り払うと、トップパネルの無いシャーシがあらわになる。組み込みやメンテナンスが上面からもできるようになるだけで、作業効率は劇的に向上する。なお画像はケージタイプのシャドウベイユニットを取り外した状態 |
トップパネルが無い事による恩恵ばかりを強調してきたが、冷却ファンおよびラジエターの増設スペースを失った”損失”はどう補填されているのか。こだわりの自作派を納得させるエアフローは確保できているのか。次に重要項目である、冷却ファンレイアウトをチェックしてみよう。
スモークアクリルパネルを備えたフロントパネル。その裏手には標準で140mm口径ファン2基が装備されている。出荷時よりシャーシ面に固定されているのは「Riing Plus H14」で、RGB LED内蔵の発光ファンだ。そもそもモデル名の「VIEW 37 RGB」は、標準搭載ファンの”付加価値”にちなんだもの。決して安くないRGB LEDファンを装備品に加えることで、コストパフォーマンスの良さもセールスポイントになっている。別途予算を掛けずにイルミネーションギミックが楽しめる、お財布にも優しいベース筐体なのだ。
なお120/140mm口径ファン3基、または200mm口径ファン2基に増設および換装が可能。ラジエターも360/420mmサイズが搭載できるようになっている。
シャーシ面には120mm、140mm、200mm口径ファン搭載用のスリット(ネジ穴)を用意。将来的な拡張性も考慮された設計 |
標準装備品「Riing Plus H14 RGB」は、500~1,400rpm/27.2dBAのPWM仕様。BOXタイプと拡張ブラケットタイプの「Riing Plus RGB controller」が付属。これについては別途解説しよう |
フロントパネルはアクリルで密閉されているものの、両側面には実測で幅約23mm、長さ約470mmの防塵フィルタ付きスリットを装備。さらに底面にも実測約15mmの空気取り入れ口がある |
密閉されたフロントパネルを補う役割を担うのが、前寄り右側面にある冷却ファン増設スペースだ。9つの長方形にカットされたエリアは、通気孔仕様の右サイドパネル部に該当。左右のネジ穴により、120mmおよび140mm口径ファンが最大3基増設できる。さらにラジエターの搭載にも対応する。
ケージタイプのシャドウベイユニットを外せば、360/420mmサイズラジエターが搭載できる |
さらにケージタイプのシャドウベイユニットを取り外せば、底面にも120mmまたは140mm口径ファンが1基増設できる。なおネジ固定用のスリットは、ストロークが約20mm。フロントファンから背面寄り290mmまでが搭載スペースとして割り当てられ、これを目いっぱい使い切ると、電源ユニット搭載スペースは実測約160mmに縮小される。構成パーツ同士で上手に折り合いを付けたい。
ストレージ搭載スペースとのトレードオフだけに、よほどの理由がない限り積極的に利用する箇所ではない |
主に排気を担当するリア部には、フロント標準装備品と同様「Riing Plus H14 RGB」が1基標準で搭載されている。ドレスアップに重きを置くPCケースとあって、リアの装飾にも抜かりはない。さらに肝心な冷却能力は、低速で風量が稼げる140mm口径ファンの採用とあって、十分に仕事をこなすだろう。
簡易水冷ラジエターの搭載を想定し、120mm口径ファン用のネジ穴も装備。いずれもスリットタイプで、ストロークはそれぞれ140mm口径用が約30mm、120mm口径用が約50mmだった |