エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.663
2018.06.23 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
テスト環境では2枚のGeForce GTX 1080 Tiを使い2-way SLIを構築。またCPUの冷却にはAntec製オールインワン水冷クーラーを使用した |
画像による検証が一通り終了したところで、ここからは「HCG1000 Extreme」を実際にPCに組み込み実動テストに移ることにしよう。テスト用のPCにはIntel Core i7-8700KやGeForce GTX 1080 Tiを2-way SLI構成で搭載したハイエンドゲーミングPCを用意し、ストレステストや各種ベンチマークテスト、実際のゲームなどを使い、その挙動をチェックすることにした。
今回テストで使用したグラフィックスカードはColorful「iGame GTX1080Ti Vulcan AD」。補助電源コネクタは8pin×2が必要になる |
まずは+12V、+3.3V、+5Vの基準出力となる、負荷をかけないアイドル状態の各電圧を確認していこう。なお各出力の計測には「AIDA64 Extreme Edition」の「System Stability Test」を使用し、出力波形と最大/最小/平均値を記録している。
「AIDA64 Extreme Edition」の「System Stability Test」 |
アイドル時の各電圧の最大/最小/平均値 |
負荷のないアイドル状態の波形はフラットだが、+12は12.000V、+5Vは5.016Vで定格ギリギリ、+3.3Vについては3.280Vで定格割れになっている。「HCG Extreme」シリーズはデジタル制御ではなく、信号遅延を嫌うオーディオ機器などで使われるアナログ制御を採用している。そのため、どうしてもブレが出るがAntecでは±3%までの電圧出力を許容範囲(ATX規格の下限は5%)としているとのことだ。なお、その他のIntel Z370マザーボードやAMD X470マザーボードでも検証してみたところ傾向は同じだった。基準電圧の高さでフォローする電源ユニットも多いなか、定格ギリギリを攻める設定なのは、ハイエンド向け電源ユニットを新たに投入するAntecの自信の表れだろう。