エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.663
2018.06.23 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
基準の電圧出力が定格値に近いこと、また負荷時にブレが出やすいアナログ制御なのこともあり、各テストでは定格を割ってしまった「HCG1000 Extreme」。しかし消費電力500Wを超える高負荷テストを半日近く続けて実行しても、電圧下降は一定値を維持し、+12V、+3.3V、+5VともAntecが許容する3%を下回ることはなく、システムやソフトウェアのエラーも一切発生しなかった。これは厳選したコンポーネントや、独自「PhaseWave Design」などを採用する「High Current Gamer Extreme」の安定性と品質を重視するコンセプトがあってこそだろう。
「HCG1000 Extreme」は、Core i9やRyzen Threadripperといったメイニーコア環境やマルチグラフィックス環境でも安心して使える大容量電源ユニットだ |
またこの安定性と品質を重視した設計により、1,000Wの大容量モデルながら奥行160mmのコンパクト筐体に収めることに成功。現在主流の奥行180mmモデルとの差は20mmとそれほど大きくないと感じるかも知れないが、特にPCI-Express補助電源ケーブルを多用する大容量モデルでは、この差は取り回しに大きく影響する。
その他、ハイエンドグラフィックスカードを複数枚導入する高効率採掘マシンに最適な最大8系統(850Wモデルは6系統)のPCI-Express補助電源コネクタや、セミファンレス動作の切り替え機能など、さまざまな用途や構成で使える懐の広さも魅力的。品質・安定性・使い勝手など大きな欠点のない「HCG Extreme」シリーズの総合点はかなり高い。
協力:Antec
株式会社リンクスインターナショナル