エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.668
2018.07.06 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
空冷に続き、水冷構成による搭載テストも試みた。省スペースPCケースだけに、現実的な簡易水冷を用意。唯一のラジエター搭載スペースとなるリアを使い、システムを構築してみよう。使用したのはCooler Master「MasterLiquid ML120L RGB」(型番:MLW-D12M-A20PC-R1)で、最もオーソドックスなスタイルの水冷ユニットだ。
とにかく内部が狭いため、作業手順は予め想定しておいた方がいい。ご覧の通りラジエター+120mm口径ファンと、ポンプ一体型ウォーターブロックはかなり接近している。これではリテンションのネジを締める作業がしにくくなるため、ウォーターブロックを先に固定し、次にラジエターをネジ留めする手順が正解だった。できれば3pinまたは4pinファンコネクタも、ラジエターを固定する前に接続した方がいいだろう。
「MasterLiquid ML120L RGB」のバックプレートは、メンテナンスホールから露出できている。つまり製品により”はみ出る場合もある”ということ | 120mmサイズラジエターは、リア冷却ファン増設スペースのネジ穴を使用。なお固定には念のためワッシャーを使った方が良さそうだ |
グラフィックスカードの搭載テストにはASUS「ROG-STRIX-GTX1080TI-O11G-GAMING」を使用。NVIDIA GeForce GTX 1080 Tiを搭載するハイエンドモデルで、カード長は約298mm、さらに厚さは52.5mmにもおよぶ。なんとも贅沢なチョイスだが、長さ300mmまで有効スペースが確保された「A1」とあって、チャレンジの意味合いも込めた。なおグラフィックスカードはボトム面に最も接近した形で搭載される。120mm口径ファン2基が増設できる通気孔に近く、VGAクーラーはフレッシュな外気を吸い上げる事ができる、理想的なレイアウトと言えるだろう。
拡張ブラケットは外部固定式。インチネジで固定されたカバーを解除し、グラフィックスカードをネジ留め。最後にカバーを元に戻すといった手順だ |
有効スペースギリギリのグラフィックスカードは、無事に収める事ができた。ちなみに公称300mmの有効スペースはあくまで内部空間であり、実際には実測で幅約298mmの開口部から挿入する事になる。搭載テストでも真横からはインストールができず、まるで知恵の輪を解くように、ぶつからない場所を探しながら慎重に作業を行った。
重量級グラフィックスカードの歪みを補正してくれるのが、付属の「グラフィックスカードホルダー」。巨大なグラフィックスカードを搭載した後では目視ができないため、事前に見当を付けた位置に背面からインチネジで仮固定。グラフィックスカード搭載後に微調整を行うといいだろう |
右サイドパネルを外し、マザーボードトレイ背面の位置に2.5インチSSDを搭載してみる。「A1」唯一の貴重なストレージ搭載スペースで、ここには2台分の専用トレイが装備されている。搭載方法はシンプルで、2.5インチ専用トレイを外し、SSD背面から4箇所をネジ留め。これを元の場所に戻せば完了する。別段注意事項は無く、周囲スペースにも問題は無い。
マザーボードトレイ背面の位置だけに、筐体内部の狭さを感じることなく作業が可能。組み込みはいつ作業してもいい。なおコネクタは左方向(前面方向)に向く事になる |