エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.674
2018.07.31 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
第2世代Ryzenシリーズに合わせて発表されたAMD X470の下位にあたる、AMD B450チップ搭載マザーボードがデビューを果たした。6月上旬に開催された「COMPUTEX TAIPEI 2018」でも、当時未発表だった搭載モデルの展示が注目を集めていたのは記憶に新しい。
ようやくに第2世代Ryzenの陣容が整った格好だが、夏の峠を越しそうなタイミングでの投入には、だいぶ時間がかかったという印象だ。ともあれ期待された普及価格帯のセグメントが追加されたことで、より低価格に最新のRyzenマシンを組みたいというユーザーには待望のニュースだろう。
MSI「B450 TOMAHAWK」 製品情報(MSI) |
チップセットとしてはAMD B350の後継にあたり、基本的なスペックに劇的な違いはない。ただし自動チューニング機能「XFR2 Enhanced」や「Presicion Boost Over Drive」、さらにストレージ高速化技術「AMD StoreMI」にも標準で対応するなど、X470向けに追加された新機能が盛り込まれ、新世代に相応しい進化を遂げている。
上位チップX470との比較ではSATAやUSB3.1ポート、SLIの非サポートなどが挙げられるが、想定するエントリー・ミドルレンジ層のユーザーにとっては、どれも優先度はそれほど高くない要素。搭載マザーボードは低価格なモデルが中心になることから、コストパフォーマンスの高さが際立っている。
そのAMD B450を搭載する、MSIの最新マザーボードの一つが「B450 TOMAHAWK」だ。主にカジュアルゲーマーをターゲットにした「ARSENAL GAMING」シリーズの中核モデルで、ツボを押さえた搭載機能と絶妙な値ごろ感から、X370搭載マザーボードを凌ぐ人気を誇った「B350 TOMAHAWK」の上位にあたる。
今回の主役は、質実剛健なミドルレンジマザーボードとして人気を呼んだ、「B350 TOMAHAWK」の上位モデル「B450 TOMAHAWK」だ。前作が優れたコストパフォーマンスで好評だっただけに、今回もその完成度には期待が高まる |
新世代にアップグレードするにあたり、デザインも大きく刷新。拡張された大型ヒートシンクを備える「Extended Heatsink Design」が採用された。また、MILスペックの軍事調達規格をクリアした「ミリタリークラス5」準拠の高品質コンポーネントを搭載。フルデジタル制御のプレミアム電源回路「Core Boost」や独立したメモリ回路「DDR4 Boost」など、独自設計による安定性・信頼性重視のコンセプトは大きな魅力だ。
ミドルレンジクラスのマザーボードらしいサイズ感のパッケージ。背面では、主要な搭載機能がひと目で分かるように網羅されている |
そのほか、高音質オーディオ回路「Audio Boost」や、重量級グラフィックスカードを支えるメタルスロット「Steel Armor」といった、ゲーミングマシン向けの機能を搭載。最大32GbpsのM.2スロット「Turbo M.2」、USB3.1 Gen2対応のType-A/Type-Cポートなど、ストレージ・インターフェイス周りも最新の必須装備を満たしている。
そしてゲーミングモデルには欠かせないドレスアップ要素もカバー。1,680万色と10パターンのエフェクトに対応したRGBイルミネーション「Mystic Light」のほか、他のRGBデバイスとライティングを同期させる「Mystic Light Sync」にも対応する。デコレーションPCの中核としての運用も可能というワケだ。
また、「B350 TOMAHAWK」にはなかった「BIOS Flashback+」も新たにサポート、CPUやメモリ、グラフィックスカード不要でBIOSのアップデートが可能になった。今後発売されるCPU・APUの導入が容易になるのはもちろん、アグレッシブなオーバークロックによる問題にも対処できる。