エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.675
2018.08.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
続いて、オフィスアプリケーションや動画のエンコード、マルチメディア再生など実際の運用に近い性能を計測する「PCMark 10」を使い、PCの総合的な性能を確認していこう。
マルチスレッド性能よりシングルスレッド性能が重要になる「Essentials」や「Productivity」では、Ryzen 7 2700をRyzen 5 2600Xが上回り、基本的には“X”モデルが優勢。「Digital Content」ではマルチスレッド性能を生かし逆転するものの、その他のビハインドが大きく、総合スコアでもRyzen 5 2600Xの後塵を拝している。
ただし、最近ではOS自体のマルチスレッドへの最適化に加え、PCの高性能化もあり複数のアプリケーションやゲームを同時に立ち上げて処理することが多い。ソフトウェア自体はシングルスレッド処理に最適化されている場合でも、マルチスレッド性能が重要になることもあるので、自分の使い方にあったCPUを選択する必要がある。
続いて、多くのベンチマークが揃う「Sandra 2017」の検証を進めていこう。まずはCPU関連のテストとして、「プロセッサの性能」と「マルチメディア処理」を計測した。
「PC Mark10」では一部のスコアが逆転する現象が見られたが、「プロセッサの性能」では型番通りRyzen 7 2700X、Ryzen 7 2700、Ryzen 5 2600X、Ryzen 5 2600の順に並ぶ順当な結果。特にRyzen 7 2700とRyzen 5 2600Xを比較すると、クロックでは400MHzも低いRyzen 7 2700がいずれも約13%上回り、8コアの強みを見せている。
続いて「マルチメディア処理」のスコアを確認すると、こちらも「プロセッサの性能」とほぼ傾向は同じ。クロックに差があるためRyzen 7 2700とRyzen 7 2700Xの差がやや大きいのは気になるが、TDPが40Wも違うことを考えれば許容できる範囲に収まっている。またRyzen 5 2600とRyzen 5 2600Xの差が約10%と比較的小さく、Ryzen 5 2600がかなり健闘しているのもポイントだ。