エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.677
2018.08.13 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
次に日本市場におけるnoblechairs製品を紹介しよう。国内代理店の株式会社アーキサイトでは、メインストリームで“noble”を体現する「noblechairs EPIC」(ブラック/レッド)、見るからに品のあるプレミアムホワイトの「noblechairs EPIC Premium White」。さらにnoblechairsの姉妹ブランドとして展開する、コストパフォーマンス重視の「Nitro Concepts」(ナイトロ コンセプツ)のエントリー向け「Nitro Concepts S300」が販売されている(2018年7月現在)。
また、8月にはカラーバリエーションモデル「noblechairs EPIC gold」、「noblechairs EPIC blue」が追加される。さらに上位モデル「noblechairs ICON」の国内投入も決定。加えて、ミリタリー調デザインが特徴的な「Nitro Concepts S300 – Urban Camo」といった新モデルも発売予定だ。
メインストリームの「noblechairs EPIC」はブラックの「NBL-PU-BLA-003」に加え、座面などの縫糸がレッドカラーになっている「NBL-PU-RED-003」をラインナップ |
美しい純白とダイヤモンド型のステッチが施された座面と背もたれが特徴的な「noblechairs EPIC Premium White」 |
炎のアイコンがゲーミングチェアらしい姉妹ブランドの「Nitro Concepts」。エントリーモデル「Nitro Concepts S300」が販売中 |
今回試す「noblechairs EPIC」は、noblechairsのフラッグシップモデルだけあって、妥協なく作り込まれた一品と言える。実際、立ち上げから2年の新興ブランドながら、European Hardware Awards 2017のゲーミングチェア部門を受賞。さらに、世界有数の掲載誌となる米国「Forbes」のWebサイトでは「A Chair Every PC Gamer Needs」(すべてのPCゲーマーが必要とする椅子)と紹介されているほどだ。
では実際に「noblechairs EPIC」を見ていこう。海外製ゲーミングチェアの心配事である座面の高さについては、標準で日本人向けの短いガスシリンダーを採用。42cm~48cmで調節できる。
座り方や座り心地に影響する座面。幅が広く、両サイドの凸部の傾斜が緩やかになっているのが特徴 | 「noble」の文字が入った凸部分。サイドは手触り良いベロア素材になっていた |
全体の形状はゲーミングチェアの定番となる、体を包み込むバケットタイプ。そしてチェアの大事な要素となる座面各部のサイズは、幅が35~56cm、奥行き(背もたれ約90°時)が約46.5cm(実測値)、厚さは最大で10cmになっている。ここで注目なのが座面幅で、最大56cmとかなり広めに作られている点。この最大幅は両サイドの凸形状部分も含め、凸傾斜がかなり緩やかなため、幅を最大限に活用できている。
また座面には、55kg/m3という高密度ウレタンクッションが採用され、かなり硬めの座り心地という印象。「安定した座り心地」と、へたりにくい「高耐久性」を実現している。なお最大56cmになる座面幅の広さと、厚さ最大10cmの硬めのクッションの利点はそれだけではない。片足上げやあぐら、正座に体育座りといった”日本人特有の姿勢”も安定した状態で保つ事ができる。
背もたれの両サイドにも体を挟み込む凸クッションを備えるが、座面同様に緩やかな傾斜になっている | 体が長時間触れる座面や背もたれの表面には、直径1mmのパンチングが5mm間隔で設けられており、通気性を確保している |
そのほか、ゆりかごのように揺れる最大14°のロッキング機能、座面(背もたれ)を傾斜させた状態での固定(ロッキング固定)、仕事やゲーム中のお昼寝(寝落ち)に、うれしいリクライニング機能(最大135°)。そして安定したマウスやゲームパッド操作に欠かせないアームレストの微調整機能とゲーミングチェアに欠かせない機能を網羅している。
背もたれは最大135°までリクライニング可能。ロッキング機能とあわせると149°まで倒すことができる |
そのうえで、座り心地と耐久性を向上させる1.5mm厚という極厚なPUレザー素材を採用。さらにPUレザーのネックとなる蒸れを抑えるために、座面や背もたれの体が触れる箇所には直径1mmのパンチングを設け、通気性を確保している。
このように、ゲーミングチェアとしては高額の部類と言える実勢価格5万円前後の「noblechairs EPIC」だが、価格にふさわしい仕様である事がお分かり頂けるだろう。