エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.678
2018.08.13 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
Threadripper 2のダイは、4つのCPUコア、2MBのL2キャッシュ(CPUコアあたり512KB)、8MBのL3キャッシュを備える「CPU Complex」モジュール(以下「CCX」モジュール)が2基統合されており、コア数は8つ、L2キャッシュは4MB、L3キャッシュは16MBとなる計算だ。最上位モデル「Ryzen Threadripper 2990WX」では、このダイを4つ搭載することで、32コア/64スレッドというメニーコア構成と計80MB(L2キャッシュ16MB+L3キャッシュ64MB)という大容量キャッシュを実現している。
また、CCXやダイは「Infinity Fabric」で相互に接続。メモリとPCI-ExpressとはX399チップセットとの互換性維持のため、図のように2つのダイで接続されている。
「Ryzen Threadripper 2990WX」は4ダイ/8CCX構成。それぞれのダイは「Infinity Fabric」で接続され、4つのダイは常に同期。なお24コア/48スレッドの「Ryzen Threadripper 2970WX」では、6CCX構成になるという |
「Ryzen Threadripper 2950X」は4CCX構成で、2つのダイは「Infinity Fabric」で接続される |
PCI-Express3.0のレーン数は、Threadripper 2でも64レーンのままだが、サポートされるDDR4メモリの動作クロックはDDR4-2933に向上。第1世代は「Distributed」と「Local」というメモリアクセスモードを備えているが、Threadripper 2では「Ryzen Threadripper 2950X」のみ、モード変更が可能になっている。ただ、ゲームモードは健在で、「Ryzen Threadripper 2990WX」は「RYZEN MASTER」のプロファイルでコア数が1/4(手動で1/2も可能)に設定されるようになっている。
従来と同じ、X399マザーボードで動作。PCI-Express3.0のレーン数は64で、4つがX399チップセットとの接続に使用される | Threadripper 2をサポートする最新バージョンの「RYZEN MASTER」。CCX構成がわかりやすくなっている |
CCX構成内にある「☆」印は、CCXのなかで最も高速に動作するコアになるという | 「RYZEN MASTER」のメモリアクセスモードの設定は、「Ryzen Threadripper 2990WX」ではグレーアウトになっていた |
なお、AMDのクライアント製品部門担当ディレクターを務めるDavid McAfee氏は、「Threadripper 2には、非常に厳選されたダイを使用しており、生産された数多くの第2世代Ryzen向け12nmプロセスダイのうち、5%だけがThreadripper 2に使われている」と説明していた。また「4つのダイはパフォーマンス特性を含め、同じである必要がある」そうで、この点も含めて選別が行われているという。
都内で行われたThreadripper 2に関してのメディアブリーフィングに登壇したAMDクライアント製品部門担当ディレクターを務めるDavid McAfee氏 | Threadripper 2の「WX」シリーズは、「『EPYC』ほどのスペックは不要だが、AIやアルゴリズムなどの開発段階で使いたいという声に応えるために展開した」という |