エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.681
2018.08.29 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
2つのM.2スロット両方に「M.2 Thermal Guard」を搭載する「B450 AORUS PRO WIFI」。今回はPCI-Experess3.0(x4)に対応する上段スロットを使い、冷却性能を検証した |
M.2スロットにメタル製のオリジナルヒートシンク「M.2 Thermal Guard」を搭載する「B450 AORUS PRO WIFI」。発熱の大きいM.2 NVMe SSDをどの程度冷却することができるのか気になるところ。そこで「CrystalDiskMark 6.0.1」をデータサイズ32G、テスト回数5回に設定し、3回連続で実施する負荷テストを行い、その温度推移と実際の速度を「HWiNFO64」でチェックしてみることにした。なお本項のテストではサーモグラフィーによる撮影も行うため、グラフィックスカードは最下段のPCI-Express(x16形状)スロットに搭載している。
まずヒートシンクなしの温度を確認すると高負荷時は最高73℃まで温度が上昇。テストで使用したSamsung「SM951-NVMe」は比較的温度耐性の高いSSDのため、サーマルスロットリングは発生しなかったが、温度耐性の低い製品なら速度低下は免れないところ。一方「M.2 Thermal Guard」を装着すると高負荷時でも温度は58℃で頭打ち。実に15℃も低下し、その効果は非常に大きい。専用ヒートシンクのためグラフィックスカードと干渉することもなく、安心して使用できるのも大きなメリットだ。
ヒートシンクなし(アイドル)のサーモグラフィー結果 | ヒートシンクなし(高負荷時)のサーモグラフィー結果 |
ヒートシンクあり(アイドル)のサーモグラフィー結果 | ヒートシンクあり(高負荷時)のサーモグラフィー結果 |
続いてサーモグラフィーの結果を確認すると、ヒートシンクなしの状態ではコントローラはアイドル時でも約50℃、高負荷時は80℃まで温度が上昇しており、常用をするのはややためらわれる状態。またヒートシンク搭載時は全体にまんべんなく熱が広がり、効率よく放熱できている様子が見てとれる。
PCI-Express3.0(x4)接続(上段)とPCI-Express3.0(x2)接続(下段)のM.2スロットのパフォーマンスを検証する |
「B450 AORUS PRO WIFI」には、帯域幅32GbpsのPCI-Express3.0(x4)接続と帯域幅16GbpsのPCI-Express3.0(x2)接続の異なるM.2スロットが用意されているが、実際転送速度にはどの程度違いがあるのだろうか。そこで今回はSamsung「SM951-NVMe」シリーズの256GBモデルを使い、気になるパフォーマンスをチェックしてみることにした。
PCI-Express3.0(x2/下段)搭載時の「CrystalDiskMark 6.0.1」 | PCI-Express3.0(x4/上段)搭載時の「CrystalDiskMark 6.0.1」 |
帯域幅が16Gbpsに制限されるPCI-Express3.0(x2)接続のM.2スロットでは、最大転送速度は1,600MB/sec前後で頭打ちになり、Samsung「SM951-NVMe」ではシーケンシャル読込が大きく落ち込んだ。しかし、その他のベンチマークは帯域幅の限界に届いておらずほぼ同等のパフォーマンスを発揮。最新のハイエンドSSDは少々厳しいものの、初期モデルや、最近の製品でもエントリーからミドルレンジクラスのモデルであればPCI-Express3.0(x2)接続のスロットでも有効に扱うことができるだろう。