エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.682
2018.09.06 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
ここからは「AS4004T」の10ギガビットLANポートの実力をチェックしていこう。RAIDレベルは転送速度を重視したRAID 0を選択。「XF1230-1A1920」の公称スペックを考えると10ギガビットLANの理論値である1,250MB/secを上回る計算で、ストレージがボトルネックになることはないはずだ。また「Jumbo Frame」はネットワークカード「GbEX-PCIE」が「9014」、「AS4004T」が「9000」に設定している。
「AS4004T」とテストPCは、10ギガビットLANで接続。「Jumbo Frame」は「9000」に設定してテストを実行している | 「GbEX-PCIE」の「Jumbo Frame」も、プロパティの「詳細設定」から変更している |
「AS4004T」とPC間のコピーには、公称シーケンシャル読込3,100MB/sec、書込1,600MB/secの「SSDPEKKW512G8XT」を使用し、ボトルネックとなる要素を排除した |
転送速度の計測は「AS4004T」上の共有フォルダーをネットワークドライブとして割り当て、「CrystalDiskMark 6.0.1」を実行。また「容量3.58GB/23ファイルの音楽データが入ったフォルダー」「容量7.26GB/1ファイル」「容量40.6GB/圧縮データ」の3種類のデータを「AS4004T」とIntel「SSD 760p」シリーズの512GBモデル「SSDPEKKW512G8XT」との間でコピーした時間をストップウォッチで計測している。
10ギガビットLAN接続時の「CrystalDiskMark 6.0.1」 | ギガビットLAN接続時の「CrystalDiskMark 6.0.1」 |
まず「CrystalDiskMark 6.0.1」のスコアを確認すると、シーケンシャル書込はギガビットLANの3倍以上となる380MB/sec、読込に至っては約10倍にあたる1,128MB/secを計測。ARM系プロセッサを採用しているためか、ランダムアクセスについては大きな変化はないが、ギガビットLANの理論限界値125MB/secの壁を楽に突破しており、購入意欲をそそられる。
続いて、「AS4004T」からPCへのデータコピー時間を確認していこう。結果は一目瞭然。読出元と書込先がいずれも1,000MB/secを超えるため、10ギガビットLANの性能が遺憾なく発揮され、ギガビットLANに比べてコピー時間はいずれも1/5程度まで大幅に短縮されている。
次にPCから「AS4004T」の結果を確認していこう。こちらは「AS4004T」の書込速度が300MB/sec台のため、ギガビットLANとの違いはおおむね1/2程度にとどまる。それでも約6分かかっていたデータコピーが、約2分30秒に短縮されるわけでその影響は絶大だ。