エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.685
2018.09.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
TDP 300WのCPUを動かせると謳う、強力な電源周りをチェック。サーバー同等のコンポーネントを採用、2系統の補助電源コネクタを備えている |
さて、ここからは「C9X299-PG300」の機能や装備をエリア別にじっくり観察していこう。まずはCore Xシリーズのオーバークロックも可能という、そのポテンシャルを支える電源周りだ。
電源回路には、8+1フェーズ構成のデジタル電源「Digital PWM」を搭載。高効率統合型MOSFET「Dr.MOS」やフェライトチョークなどの高品質コンポーネントを採用、サーバー顔負けのEPS 8pin×2のCPU補助電源により、TDP 300W動作を実現した。
2つのレバーを備えたLGA2066のCPUソケットは、腐食に強い15μ金メッキピンを採用。直上には、MOSFETを冷却するヒートシンクが実装されている |
電源回路は8+1フェーズ構成で、広温度域をサポートするフェライトチョーク、MOSFETとドライバICを統合した「Dr.MOS」を実装。いたずらにフェーズ数を増やすのではなく、電力効率を考慮して最適な構成が割り出されている |
TDP 300Wもの給電を可能にしている、2系統のEPS 8pin補助電源コネクタ。片方はシールでフタがされており、オーバークロック時など必要に応じて使用する |
なお、MOSFETは1フェーズごと1基が使用されているが、これはコンデンサ(キャパシタ)の数は多く、MOSFET数は減らした方が電力効率は高くなるという、長年の経験に基いた設計思想から。同クラスの製品に比べコンデンサは30%以上も多く配置されており、その結果電力効率は大きく改善しているという。
そのほか、PCBにはサーバー製品に使われるTg170℃(Tg=ガラス遷移温度)の「TU-662/NP175」素材を用いた「ガラスエポキシ樹脂PCB(Epoxy glass Resin PCB)」を採用。データ転送時のシグナル強度を高め、オーバークロックなど高負荷時でも安定した信号伝達を可能にしている。
Infineon Technology製のPWMコントローラ「ADPE11280A」 | 電源回路の基板裏には、背の低いタンタル固体コンデンサが実装されていた |
「C9X299-PG300」が搭載するチップセットは、LGA2066ソケットのCore Xシリーズに対応する、HEDT向けプラットフォームのIntel X299だ。22nmプロセスルールで製造され、バススピード8GT/sec(DMI3)、最大24のPCI-Expressレーン、SATA3.0 (6Gbps)は8ポート、最大10ポートのUSB3.0などに対応する。
なお、ヒートシンクはM.2スロット用ヒートシンクが合体した大型のもので、トップにはソフトウェア制御に対応したRGBイルミネーションも内蔵されている。
最大18コアのCore Xシリーズに対応する、ハイエンド向けチップセットIntel X299。パッケージサイズは23×24mmで、チップ単体の消費電力は6Wとされる |
「Play harder」の文字がデザインされた、RGBイルミネーションに対応のチップセット用ヒートシンク。M.2用ヒートシンクを固定するネジ穴もそれぞれ2つずつ備えている。動作中はやや発熱が大きめなため、その点には注意しておこう |