エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.686
2018.09.28 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
リアファンの増設スペースは背面左上部に配置されている。ハニカム状の通気孔部分には、120mmまたは140mm口径ファン用のネジ穴があり、任意でいずれか1基が増設できる。ミドルタワーPCケースとは異なる内部レイアウトながら、背面排気のエアフローレイアウトが一般的である事には変わらない。出荷時は非搭載ながら、システムの構成によっては排気ファンを搭載するといいだろう。なおラジエターはスペースの関係上、120mmサイズまでのサポートに留められている。
用意されたネジ穴は120/140mm口径用の2つ。ラジエターサポートは120mmサイズのみ |
ボトム面のフロント寄りには実測で幅約240mm、奥行き約125mmのスリットが設けられている。製品資料によると、この箇所には120mm口径ファン2基の増設が可能とあった(ラジエターの増設は非対応)。ポジション的にはフレッシュな外気を取り込むには都合がよさそうだが、スリット以外、ネジ穴らしきものは用意されていない。ちなみに組み込み例等が掲載された資料では、リザーバーや水冷ポンプ等の固定に利用されている。どうやら冷却ファン増設用の通気孔というよりも、万能ステイのスリットといったところかもしれない。
二層構造の1階部分には、ケージタイプのシャドウベイユニットが装備される。ここにはABS樹脂製の専用トレイ3つが装着済みで、3.5インチHDDまたは2.5インチSSDが最大3台収納できる。なお設計上、専用トレイはフロント方向へのスライド着脱になるため、若干出し入れはし辛い印象。とは言え一度搭載してしまえば、頻繁に抜き挿しするものではないため、ここは許容範囲と考えよう。
専用トレイはフロント方向にスライド着脱する仕組み。なおフロントパネルまでのストロークは実測約200mmといったところ。上段はやや抜き挿しがし辛かった |
シャドウベイユニットは二層構造の2階部に1つ、リアに2つのインチネジ固定。コの字のユニットは取り外しこそできるものの、専用トレイの両側面レール部が支えきれず、バラバラになってしまった。よって組み込み時におけるユニット取り外しは設計上、想定外のようだ |
右側面の1階部分には、2.5インチSSD専用のカートリッジが計3つ装着されている。ABS樹脂製のカートリッジは、上から2.5インチSSDを滑り込ませると、上部のツメでロックが掛かるツールフリー仕様。コネクタを上部に向けて装着し、右側面の強化ガラス製サイドパネルからはSSDの銘柄ラベルが露出できる。実用と存在をアピールできるストレージ収納スペースというワケだ。
拡張スロットは全5本。MicroATX規格には十分な装備だ。拡張スロット金具はハニカム状の通気孔仕様で、各々は独立タイプ。シャーシにはインチネジで固定されている。なお上部のカバーはABS樹脂製で、両サイドの爪で固定。これを取り外すと拡張スロット金具を固定したネジが露出する。つまりネジ留めはPCケースの外側で行う仕組み。
マザーボードは水平置きだけに、拡張カードは垂直方向にマウントする事になる |
ミドルタワーPCケース同様、ボトムレイアウトを採用する電源ユニット。背面左下に用意された搭載スペースには、見慣れた間隔でネジ穴があり、インチネジで背面固定を行う。なお有効スペースはボトムファン搭載時で長さ200mmまで。コネクタから伸びるケーブルの行き場を考えると、180mm以下のサイズに留めておく必要があるだろう。
電源ユニットのインストールは、ボトムパネルを取り外して行う必要がある。さらに固定には付属品のステイを使用。詳細については組み込みセッションで詳しく解説する |