エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.687
2018.10.09 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
今回は「A-Tuning」の「EZ OC」から「Advanced Turbo」のプリセットを使用した |
テストセッションのラストは専用ユーティリティ「A-Tuning」に用意されているプリセットオーバークロック機能を使い、Core i7-8700Kのオーバークロックを行った。なお今回のテストでは「Advanced Turbo」にある「Gear 1」と「Gear 2」のプリセットを選択している。
「Advanced Turbo」のプリセット機能は「インタラクティブUEFI」からも利用できる |
定格/シングルコアテストの「CPU-Z 1.86.0」 | 定格/マルチコアテストの「CPU-Z 1.86.0」 |
「Gear 1」の「CPU-Z 1.86.0」 | 「Gear 2」の「CPU-Z 1.86.0」 |
全コア4.60GHz動作になる「Gear 1」、全コア4.80GHz動作になる「Gear 2」とも動作に問題はなかった。また「CINEBENCH R15」のマルチコアテストでは、定格からそれぞれ約5%と約10%スコアが増加。もうひと伸びパフォーマンスが欲しい場合には、プリセットによるオーバークロックは有効な手段だろう。なおシングルコアテストでは、「Turbo Boost」機能によって定格でも最高4.70GHzまでクロックが上がるため、スコアにほとんど差が出なかった。
消費電力を確認するとアイドル時はいずれも約10W、高負荷時は比較的ライトなオーバークロックにもかかわらず「Gear 1」で約60W、「Gear 2」では約80Wと大幅に消費電力が増加している。Coffee Lakeで本格的なオーバークロックをするなら、高い冷却性能を備えたCPUクーラーと「Z390 Taichi」のような堅牢な電源回路を持つマザーボードが必要になる。
従来のIntel Z370から対応CPUやプラットフォームに変更がなく、機能面でも小幅な追加に留まるIntel Z390。しかし「Z390 Taichi」では、アドレサブルLEDに対応し、各種パーツや周辺機器の制御も可能な新ライティング機能「Polychrome RGB」や、高い冷却性能を誇るフルカバータイプのM.2ヒートシンク、さらに出力や冷却性能を強化した電源回路などの改良が加えられ、先代モデルから確実に機能は進化している。
また最大帯域幅32Gbpsの3基の「Ultra M.2」をはじめ、Type-A/Type-CのUSB3.1 Gen.2ポート、IntelチップによるデュアルギガビットLAN&無線LANといった高い拡張性や、厳選したコンポーネントによる信頼性・安定性を重視した設計はいかにも「Taichi」シリーズらしい。すべてがバランスよくまとめられた「Z390 Taichi」は、Z390世代でも人気の1枚になりそうだ。
協力:ASRock Incorporation