エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.696
2018.11.10 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
実際のゲームに則したベンチマークテストとして、比較的軽いオンラインRPG「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンラインベンチマーク」のスコアもチェックしておこう。グラフィック設定は“標準品質”を選択し、解像度は1,920×1,080ドットと1,280×720ドットの2つの解像度で計測を行った。
Celeron G4900Tとの比較では、いずれの解像度でも4割弱で、やはりグラフィックス性能には大きな差があるようだ。なお判定は1,280×720ドットは“やや重い”、1,920×1,080ドットは“重い”で、“標準品質”では快適なゲームプレイは難しい。ただし、グラフィック設定を“低品質”に落としたところ、“1,280×720ドット”なら、“普通”判定になり、なんとかゲームができるレベルまでスコアを引き上げることができた。
ベンチマークテストのラストは消費電力計測で締めくくろう。アイドル時は起動直後10分間放置した中で最も低い数値を、高負荷時は「OCCT 4.5.1:POWER SUPPLY」テストを30分実行した時の最高値をそれぞれ取得している。
TDP 6WのPentium Silver N5000を採用する「LIVA Q2」。アイドル時が6W、高負荷時が12Wで、アイドル時でも29Wを消費するCeleron G4900Tのシステムとは、一線を画す省電力性を発揮する。また超小型筐体ということで、発熱や騒音を心配していたが、SoCの温度は最高76℃、ノイズレベルも最高38.4dBA(30cm位置で計測)で頭打ちとなり、特に問題はないだろう。
アイドル時(左)と高負荷時(右)のサーモグラフィー結果。筐体表面の温度は最高でも40℃前半で、本体後部の排気口から暖気が放出されている様子が見て取れる |
Intelの最新省電力SoC Gemini Lakeを採用する「LIVA Q2」。最上位SoC Pentium Silver N5000を搭載する「LIVAQ2-4/32-W10(N5000)」でも、ローエンドデスクトップCPUに比べて、GPU性能は約4割、健闘しているCPUコア性能も最高で7割強とそれなりに違いはある。とは言え、今回の検証では、ファイル操作やアプリケーションの起動などで大きくもたつきを感じることはなく、「LIVA Q2」がターゲットにしている、Webブラウザやオフィスアプリケーションには十分な性能を備えている。
さらに消費電力は最高でもわずか12Wと、デスクトップCPUの省電力モデルを圧倒。小型PCにありがちな騒音の問題もなく、液晶ディスプレイの背面に設置した場合でも、快適に使うことができる。また一時期流行ったスティック型PCのように、インターフェイスやネットワークの制限もなく、通常のデスクトップPCと変わらず利用できるのも大きなメリットだ。
ただし、内蔵のeMMCが32GBと少ない点は少々気になった。今回の検証で、各種ベンチマークソフトを入れたあとの空き容量は7GB強。microSDの増設に対応するとはいえ、正直心もとない。ECSのホームページを確認すると、eMMCが64GBのモデルもラインナップしていることから、こちらの国内発売にも期待したい。
協力:株式会社リンクスインターナショナル
Elitegroup Computer Systems(ECS)