エルミタ的一点突破 Vol.48
2018.11.13 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕/池西 樹(テストセッション)
CPUに密着させ、熱を吸い上げる受熱ベースプレート。素材は5mm厚の銅製で、熱移動を担うヒートパイプの形状に合わせ、正確に掘り込まれた高密度ベース構造が採用されている。CPUクーラーの冷却性能を決める重要なポイントであり、精度の高さが定評のサイズオリジナルクーラーとあって、「KATANA 5」もこれを継承。プレート表面は鏡面仕上げで、出荷時は保護シートが貼り付けられている。
銅製ベースプレートの上部は山切りのヒートシンク構造。これを合わせた全体の厚さは実測で19mmにもおよぶ |
受熱ベースプレートで吸い上げたCPUの熱を、アルミニウム製放熱フィンに移動させるのがヒートパイプ。「KATANA 5」では6mm口径のヒートパイプを計3本使用。ヒートシンク全体に熱を拡散する。なおヒートパイプには酸化を防止するニッケルメッキ処理が施され、見た目にも仕上がりが美しい。
受熱ベースプレートから伸びるヒートパイプの角度にも注目。ヒートシンクを後方のポジションにずらし、メモリスロットとの物理的干渉を避けるように設計されている事が分かる |
かなり大まかな表現で恐縮だが、Uの字に曲げられたヒートパイプは受熱ベースプレート部がカーブの頂点になる。ここから左右に伸び、ヒートシンクを貫通してトップカバーに突き抜ける |
ヒートパイプの能力を最大限に発揮させるには、受熱ベースプレートの密着だけでなく、放熱フィンとの接合部も重要なポイントになる |
トップカバー上部に突き抜けたヒートパイプ末端にはカバーが装着済み。放熱フィン全体を均一に貫通している事が分かる |
ヒートシンク側面にマウントされるのは、92mm口径のオリジナルモデル「KAZE FLEX 92mm PWM」だ。軸受けには密閉型FDBを採用する、PWM対応の長寿命ファンで、ブレードは7枚仕様。リブ無しフレームはヒートシンク固定側に防振パッドを装備し、振動を吸収させている。これは騒音防止だけでなく、冷却ファンの安定動作にも貢献するという。静音性と性能を両立させた設計思想がアピールされている。
回転数は300±200rpm〜2,300rpm±10%で、静音からOCを含め高負荷時での冷却を見据えたワイドレンジRPM設計。騒音値は7.3〜28.83dBAで、風量は6.75〜48.878CFMとされる。
92mm口径のオリジナルモデル「KAZE FLEX 92mm PWM」。厚さは26mmとされる |
ヒートシンクへの固定には換装が簡単な「取っ手付き新型ワイヤークリップ」を使用 | PWM対応4pinコネクタ仕様のケーブルはスリーブタイプ。長さは実測で約300mm |
ヒートシンクと密着する側のフレーム四隅には防振パッドを装着。駆動振動を吸収する役割を果たしてくれる |