エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.702
2018.12.08 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
外装周りの点検が済んだところで、次は内部構造に迫って行こう。検証を行うべく左サイドパネルを取り外して気付いたのは、外装同様に内部もブラック仕上げながら、マザーボードトレイがホワイト色に塗装されている。質実剛健、静音志向の「P101 Silent」は内部が丸見えになる強化ガラス等は一切採用されておらず、本来ならば目に触れる事は無い。これには何か意図があるのだろうか。
内部構造でひときわ目を引くのは、ホワイトに塗装されたマザーボードトレイだろう。「P101 Silent」は静音志向のPCケースとあって、サイドパネルには吸音材が貼り付けられている。つまり流行の強化ガラスやアクリルウインドウといった内部を見て楽しむ装備は採用されていない。
要所にスタンドオフが装着済みのマザーボードトレイ。対応フォームファクタはE-ATX、ATX、MicroATX、Mini-ITX |
内部が見えないPCケースでありながら、わざわざホワイトの塗装とはやや不可解だが、その点をAntecに聞いてみたところ、上位機種たる差別化が理由のようだ。見えない部分までの気遣いも欠かさない、と言ったところか。
PCケースの性能面で重要なのが、冷却ファンのレイアウトだろう。外観を見て分かるように、「P101 Silent」は静音を重視する明確なコンセプトから、通気孔は必要最低限の用意に留められている。次に音漏れ対策が徹底されたPCケースの冷却ファン搭載スペースを個別にチェックしてみよう。
「P101 Silent」で最も大掛かりな冷却機構がフロントパネルだ。開閉ドア内部のシャーシ面にある防塵フィルタを取り外すと、120mm口径ファン3基が姿を現す。密閉状態が気になるPCケースだが、外気を取り込むフロントファンはエアフローレイアウトの要所であり、最大搭載数を満たした状態で出荷される。
なお140mm口径ファン用のネジ穴も装備し、最大2基が搭載可能。さらにラジエターは最大360mmサイズまで搭載できるようになっている。
前面から内部へ常時フレッシュな外気を取り込むエアフロー設計。ちなみに標準搭載ファンにLED等の電装品は装備されていない |
開閉ドア側面のホワイト塗装部は幅約105mmの吸気口。外観上は密閉型ながら外気を取り込むには十分な装備だ | 標準装備の120mm口径ファン3基は筐体内部からテーパーネジで固定。140mm口径用固定穴(スリット)も確認できる |
詳細スペックは不明だが、標準搭載ファン(ホワイト色7枚インペラ)の動作音はかなり静かだった |
CPUソケットに最も近いリア部には、ホワイトインペラの140mm口径ファンが標準で装備。上昇した内部の熱を常時背面に排出してくれる。多くのPCケースがそうであるように、リア排気ファンはシステムの安定動作を確保する重要な役割を担っている。なお120mm口径ファン用のネジ穴(スリットタイプ)を用意。ラジエターは最大140mmサイズが固定できるようになっている。
ホワイト色で7枚インペラの140mm口径標準ファン。フロント同様に詳細スペックは開示されていないが、製品コンセプトに合わせた静音動作が特徴 |