エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.710
2019.01.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
2.5インチSSDおよび3.5インチHDDの搭載も試しておこう。肝となる多目的ストレージブラケットは実に扱い易く、作業の簡素化に貢献している。加えて「SSD Screw」は工具不要で簡単にSSDが固定可能。これだけを見ても「MasterCase SL600M」はよく考えられたPCケースである事を感じさせる。
本体から取り外し可能な多目的ストレージブラケット。備え付けのブッシュを付け替えるだけで、2.5インチSSDまたは3.5インチHDDの取り付けが可能になる |
さらに2.5インチSSDなら、底面4箇所に「SSD Screw」を付けることでツールフリー仕様に。ブッシュに挿し込む着脱方法はなかなかよく考えられている。なお3.5インチHDDは「HDD Screw」を使用したネジ留め式 |
フロントパネル裏手のシャーシ面に3.5インチHDDを2台マウント。搭載テストではコネクタ間のマージンを確保すべく、多目的ストレージブラケットの固定位置を調整。約60mmのスペースが確保できている |
ツールフリー化できる「SSD Screw」を使い2.5インチSSDを固定。フロントパネル裏手のおよび、左サイドプレート部に各2台が搭載可能。後者はSSDの銘柄を敢えて露出したい場合には積極的に活用したいスペースだ |
電源ユニットのカバー部にも3.5インチHDDを固定。無駄のない設計が見て取れる | 当然ながら2.5インチSSDも搭載可能。多目的ストレージブラケットはすこぶる使い勝手がいい |
塞がれているリア上部にも多目的ストレージブラケットが装着済み。3.5インチHDDの固定にも対応するスペースが確保されている | マザーボードトレイの2.5インチSSD専用ブラケットは、実はツールフリー仕様。ネジ留めせずにブラケットに格納できるようになっている |
今回の検証は、近年記憶に無いほど手を焼いた。「MasterCase SL600M」は、これまでCooler Masterのラインナップには無かった斬新な設計が最大の特徴。外装のアルミニウムの使い方とデザイン、そして強化ガラスサイドパネルの採用。さらに内部に目を向ければストレージの収納方法から電源ユニットのマウント、グラフィックスカードの垂直設置や水冷パーツの設置を想定した仕掛けなど、どれをとってもイマドキで、クラシカルな従来の流用は一切見当たらない。持てるアイデアをすべて投入し、詰め込んだ結果が「MasterCase SL600M」なのだ。
大胆とも言える構造は、多少組み込みに戸惑うかもしれない。筆者も検証中、組み直しを強いられた場面が何度もあった。しかしどれもが事前に把握できていれば問題にする事では無く、もちろん設計のミスではない。作業を進めるにつれ、要所に設計者の意図が伝わってくる。「MasterCase SL600M」とはそんなPCケースだった。これまでに無い組み上げる事の充実感を是非味わってほしい。
協力:Cooler Master株式会社