エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.717
2019.02.11 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
MSI「GeForce RTX 2080 Ti LIGHTNING Z」 市場想定売価税抜198,000円前後(2019年2月2日発売) 製品情報(MSI) |
NVIDIA GeForce RTX 2080 Tiの解禁から遅れること約4ヶ月、MSIからエンスージアストをターゲットにしたフラッグシップモデル「GeForce RTX 2080 Ti LIGHTNING Z」が満を持して投入された。これまでの「LIGHTNING」シリーズと同様、オーバークロックを強く意識した製品で、基板にはリファレンス(13+3フェーズ)を上回る16+3フェーズの電源回路を搭載したオリジナルデザイン基板を採用する。
「MSI×SunSister春のヘッドショット祭り!」の隠し玉として披露された「GeForce RTX 2080 Ti LIGHTNING Z」。担当者曰く国内発売の予定はないが、定格モデル「GeForce RTX 2080 Ti LIGHTNING」も用意されている |
もちろん実装コンポーネントにもこだわり、電源回路には、GPUやメモリの電力を正確に制御する「Pure Digital PWM Control」デザインのPWMコントローラと、ドライバを内蔵した高効率MOSFET「DrMOS」を採用。さらにPCI-Express3.0(x16)スロットと合わせて、最高525W(150W×3+75W)の電力を供給できる8pin×3の補助電源コネクタや、電圧・電流・温度のリミット値を解除した「LN2 Mode」を備え、GPUの持つポテンシャルを限界まで引き出すことができるよう設計されている。
3スロット占有の「TRI-FROZR」を搭載する「GeForce RTX 2080 Ti LIGHTNING Z」。基板は表面を「ダイキャストメタルシート」、裏面をバックプレートで保護されている |
そして、高クロック動作を支えるもう一つの要素である冷却機構も強力だ。3スロットを専有する巨大クーラー「TRI-FROZR」には、100mm口径×2、90mm口径×1の「TORXファン3.0」を実装。ヒートシンクはエアフローを最適化した「エッジフィン」設計で、計8本のヒートパイプや、ニッケルメッキ加工の銅製ベースプレート、熱伝導率に優れた「Thermal Compound X」、メモリやMOSFETの放熱を行うフルカバータイプの「ダイキャストメタルシート」など、MSIの最新技術がこれでもかと詰め込まれている。
製品画像が大きくデザインされたパッケージ。そのサイズは実測400×280×120mmで、グラフィックカードとしては間違いなく最大級 |
パッケージ裏面には独自機能や簡易スペックが記載されていた | カード本体は分厚い緩衝材に保護されており、多少の衝撃ではビクともしない |
これら堅牢な電源回路と、高い冷却性能に支えられ、コアブーストクロックはクラス最高レベルとなる1,770MHz(リファレンス1,545MHz/Founders Edition1,635MHz)へとオーバークロック済み。製品には独自ユーティリティ「Afterburner」も付属し、「OC Scanner」による簡易チューニングや、細かい設定ができる手動チューニングによる、さらなるオーバークロックも可能だ。
新ライティング機能「Phantom of Lightning」は、MSIの統合ユーティリティ「DRAGON CENTER」を使い6種類の発光パターンを選択できる |
またこれまでも先進的なライティング機能を搭載してきたMSIだが、「GeForce RTX 2080 Ti LIGHTNING Z」では、側面とバックプレートのRGB LEDに加えて、冷却ファン部分に「Phantom of Lightning」と呼ばれる新ライティング機能を実装。グラフィックカードを垂直設置できるPCケースを使えば、色鮮やかなイルミネーションを楽しむことができる。