エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.719
2019.02.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
底面に備えるDIPスイッチ。スイッチを切り替えることで、特定の組み合わせのキーを入れ替えできる |
低価格モデルながら、底面に特定キーを入れ替えられるDIPスイッチを搭載している点は嬉しい。特に「Caps Lock」と「Ctrl」キーの入れ替えは、(筆者含め)常用している人も多いハズ。キーボードマニアにとって、この機能の有無がキーボード購入の条件になるという場合も少なくないだろう。
さらにMac環境で使用する場合を考慮して、Windowsキーと「左Alt」の入れ替えにも対応する。これはWindows向けキーボードをMacに接続した際、Windowsキーを「Command」、「左Alt」を「Option」として認識してしまうため。これを入れ替えることで、Mac配列と逆配置になる違和感を解消できるというワケだ。
「Caps Lock」と「Ctrl」キーを入れ替えれば、小指をサッと動かすだけで「Ctrl」にアクセスできる。交換用キャップが付属しない点はやや残念 | 主にMacユーザーに配慮した、Windowsキーと「左Alt」の入れ替えにも対応。そのほか、Windowsキーと「Fn」キーを入れ替える設定もある |
発売時に店頭で手に取った際も感じたことだが、まず「DN-915598」のマシマシな機能や仕様には驚かされた。人を選ぶきらいのあるコンパクトモデルながら、矢印キーを独立実装するなど馴染みやすい配列を採用。何種類ものスイッチを吟味してチョイスしたというGateron 赤軸は、滑らかなストロークが実に心地良い。省スペースなメカニカルキーボードとして、高水準にまとまっており、とても低価格モデルとは思えない仕上がりだ。
自作キーボードのマニアにも評価が高いGateronスイッチを搭載した、絶妙配列かつ機能満載の秀作メカニカル。これで約5,000円は安い |
先ほど触れたDIPスイッチによるカスタマイズや、調光可能なバックライト、さらに高速入力に適したゲーミング向けの機能など、欲しい要素はたいてい網羅。“かななし”仕様のシャープなフォントや安物感を排除した筐体といった、細部までこだわりを感じる仕様も好印象だ。
そして何より、これらが詰まって約5,000円という圧倒的なコストパフォーマンスがお見事。やや手を伸ばしにくい尖ったカテゴリであるコンパクトキーボードでも、この価格なら試してみようという気になる。搭載機能を生かして、ゲーミング専用のキーボードとして使ってもいい。“普通のキーボード”から一歩抜け出して冒険するには、うってつけのエントリーモデルだ。
メイン運用には心もとないという向きには、同じくGateron赤軸を搭載したテンキーとの合わせ技がオススメ。好きな場所にテンキーを配置、フリースタイルで快適な数値入力が可能になるぞ |
協力:上海問屋(株式会社サードウェーブ)