エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.721
2019.02.27 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ここまで内外装をくまなくチェックしてきた。マザーボードやグラフィックスカードに代表されるメジャーブランドが手掛けるPCケースだけに、期待しつつも”企画モノレベルではないか”、という懸念が少なからずあった。実際に細部を見ると、イマドキのポイントを押さえつつ、そつなくまとめられている。工作精度も平均レベル以上で、完成度は高い印象だ。
とは言え、ここから行う組み込み作業により、PCケース本来の善し悪しが分かる。組み込み易さはもとより、周辺クリアランスやモデル特有の癖、要改良ポイントまで「MPG GUNGNIR 100」をより詳細に見ていこう。
まずはマザーボードを搭載してみよう。検証に用意したのはMSI「MPG Z390 GAMING PRO CARBON」。Intel Z390 Expressチップを搭載するATXマザーボードで、基板サイズは304x243mmだ。ちなみにマザーボードトレイには予め6本のスタンドオフが装着済み。標準的なATXマザーボードであれば問題なく固定できる。
搭載後の周辺クリアランスは、上部から天板まで約60mm、右端からフロント冷却ファンまでが約175mmで、クリアランスは十分に確保できている |
次にCPUクーラーの有効スペースを計測した。公称は高さ170mmまでのサポートだが、実際に測ると185mm程度までCPU上部空間が確保できていた。水冷構成なら気にならない数値だが、空冷でもハイエンド志向の大型CPUクーラーも装着できるだろう。なおCPUクーラーのメンテナンスホールは実測で幅約185mm、高さ約140mmだった。
大型サイドフローCPUクーラーも搭載できるだけのスペースを確保 | CPUソケット周りを広くカットしたCPUクーラーメンテナンスホール |
ストレージは3箇所に分かれて収納ができる。ここでは個別に3.5インチHDDまたは2.5インチSSDを実際にマウントしてみよう。いずれも搭載方法はオーソドックスで、マニュアルを必要としない。
ボトムカバー天板に2.5インチSSDを2台搭載。SATAケーブルをマネジメントするグロメット付きスルーホールを活用したが、右側(前方寄り)はコネクタと穴が斜めの位置関係の上短く、場合によってはSATAケーブルにストレスが加わってしまう。コネクタを破損しないように注意したい |
右サイドパネル側、マザーボードトレイ左手縦列に2.5インチSSDを2台固定。コネクタはいずれも下向きにする事で、自然にケーブルの流れができあがる |
2.5インチ専用ブラケットは、ボトムカバー天板および右サイドパネル側縦列共に共通部品を使用。底面から4箇所ネジ留めする事でSSDをマウントさせる |
唯一の3.5インチシャドウベイ(2.5インチ共用)。ボトムカバーで塞がれているため、コネクタは右サイドパネル側に向けてのマウントになる |
2.5/3.5インチ共用トレイはABS樹脂製。フレキシブルな特性を生かし、両サイド各2本に備え付けられたピンを、3.5インチHDD側面のネジ穴にはめ込むだけで固定ができる。なお底面ネジ留めの2.5インチ用ネジ穴も確認できる |