エルミタ的「編集部で使ってみた」
2019.03.18 更新
文:フリーライター 太田 文浩
さてここからは、「Atom」が小型最強スマートフォンであることを裏付ける通信の話をしたい。au SIMに対応するSIMフリースマートフォンは少しずつ増えてきたが、同SIMを2枚同時に使える端末はASUS「ZenFone 5」など非常に限られた存在だ。何と「Atom」は、そのau SIMの2枚挿しに対応しており、本家au SIMとUQ mobileを使い分けたいというニッチな需要にも応えてくれる。
au SIMが2枚並ぶのは非常に珍しい光景。マニアなら思わずニヤニヤしてしまうはずだ |
さらに世界中のネットワークに対応しているのも大きなポイント。特に中国本土でしか利用されていないマイナーな3G/4Gネットワーク、TD-SCDMA(Band34/39)やTD-LTE(Band38/39/40)をサポートするのは珍しい。そしてダメ押しとも言えるのが、アメリカ大陸では必須となるBand2/4にも低価格ながらに対応している。
5GHz帯テザリングを有効にした状態で、18時から作業を開始し、23時頃にバッテリーが25%となった。一日5時間テザリングをしてもまだ普通の作業をこなすことができる |
こうしたことから、「Atom」は世界最強の小型ルーターとしての利用が想定できる。実際に使ってみると3~4時間経過しても本体が熱くなることはなく、バッテリーの消耗も「Jelly Pro」より遅い。もうWi-Fiルーターをレンタルして海外へ行くことはない。現地のSIMを「Atom」に入れれば申し分なく動いてくれるはずだ。
ルーターとしての使い方はあくまでも一例にすぎない。これからIoTの時代が来ると言われているが、普段はキーホルダーのように持ち歩き、時に遠隔で家のカギを解除するといった芸当も可能だ。
また「Atom」にはNFC機能が内蔵されており、データの読み取りに活用できる。例えばSuicaやEdyカードの残高確認などは小回りが聞いて便利だろう。
最近増えている電子決済を試してみたところ、2.45インチのディスプレイではバーコードが表示しきれず使えなかった |
とにかく入手したら色々と試してみるといいだろう。エンターテイメント機として使うもよし、小さい画面を駆使してどこまでゲームができるか挑戦してみるのもいいだろう。ぜひ持っておきたい1台だ。
協力:Unihertz