エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.728
2019.03.26 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
最後は、各種テストの際の消費電力を確かめ、パフォーマンスチェックを締めくくろう。ミドルレンジのゲーミングマシン構成は、全体的にどの程度の消費電力を必要とするのか。そしてCPUのオーバークロックによる影響はどうか。それぞれのテスト時およびアイドル時にて、ワットチェッカーを用いた計測を行った。
アイドル時にはいずれも40W台、最大でも200W台前半にとどまった。CPUのオーバークロックによる影響も10W程度に収まり、それほど神経質になる必要性は感じない。450Wクラスのミドル向け電源ユニットを搭載するとすれば、電力効率面からも理想的な消費電力(容量の半分ほど)といえる。
マザーボードの本分とも言える信頼性、安定して動作する“壊れにくさ”は、ユーザーがまず第一に重視するポイントだ。ハイエンドモデルはこうしたニーズを吸収するために、高品質コンポーネントを贅沢に使って高耐久なマザーボードを作り上げる。しかしそれと同時に複数の高度な機能が盛り込まれることで、パッケージとしての価格も大きく上積みされてしまう点が悩みどころだった。
そこに登場した「Steel Legend」シリーズは、こうした常識を覆すマザーボードといえる。チップセットはあえてミドル向けの下位チップを選択することで、機能的な制限を受け入れつつコストを大幅にカット。それでいてコンデンサやチョークコイルといった、耐久性を支えるコンポーネントにはハイエンド同等の部材を採用する。価格帯はミドルだがハイエンド級のタフネスをもつという、不思議なバランスのマザーボードがこうして出来上がった。
このアプローチが成功だったことは、すでに市場の動きを見れば明らかだ。B450搭載モデルとしては比較的高めの価格ながら、1万円台前半でハイエンド級の耐久性が手に入るという、破格のコストパフォーマンス。“壊れにくさ”もコストも大事にしたいというユーザーにとっては、これ以上ない選択肢といえる。
そしてビッグサイズのヒートシンクに大型のI/Oカバー、音響コンデンサ付きの高音質オーディオ、装甲スロット、デュアルM.2、RGBイルミネーションなど、構成要素はどれもツボを押さえたチョイス。さらにオーバークロックも楽しめる万能選手ぶりは、ヒット作になる条件をすべて兼ね備えている。Ryzenをベースにミドルレンジのグラフィックスカードを組み合わせ、お手頃で堅実なマシンを組み上げよう。
協力:ASRock Incorporation