エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.732
2019.04.10 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
次に「DA2」の内部構造を詳しく解説していこう。STREACOMのPCケースといえば、どれも個性的で凝った内部構造がウリ。「DA2」も例外ではなく、わずか17.5リットルのアルミ製筐体内部には、自作派を唸らせるギミックが詰め込まれている。
なお、内部設計の詳細を個別に解説した後、最終セッションで組み込みを行うのが、エルミタ従来のパターン。しかし本稿では解説を進めつつ、構成パーツをどんどん組み込んで行く。特殊な構造であるがゆえに、空っぽな状態よりも実際に組み込んだ方が、よりイメージが付きやすいと考えた。
内部構造を詳しく見ていく前に、左右両サイドパネルを取り外しておこう |
右側面のメッシュフィルタを取り外せば準備完了。一見シンプルだが、複雑な内部構造が徐々に明らかになっていく |
「DA2」で実現する構成パーツレイアウトの例。この全体像で、内部の様子がほぼ把握できるだろう。こんな事ができてしまうのだ |
両サイドパネルを外して内部を観察すると、意外にもほぼ”空っぽ”な状態である事が分かるだろう。およそ眺めるだけでは、どこにどの構成パーツが搭載できるのか見当がつかない。ではどのように組み込むのか。
実は予め装着された数本のブラケットが「DA2」最大のキモであり、マザーボードや電源ユニット、ストレージやラジエターまでマウントができてしまうのだ。
ブラケットには「PSU Bracket」「Drive Bracket」「Horizontal Bracket」「Vertical Bracket」等の種類があり、これらを総称して「Universal Blacket」と呼ぶ。いずれもシャーシ(フレーム)にナットとネジで固定され、「Track」と呼ばれるレール(溝)を設ける事で、固定位置を自由に移動する事ができる。この機構こそが「DA2」の変幻自在(またはつかみ所の無い)内部設計を作り出している。
メインフレームには「Track」が設けられ、この溝にネジとナットがスライド。ブラケットの位置が自在に変更できる仕組み |
「Track」を自由にスライドする正方形のナット(左)。ネジ(右)は2色で、可動させて使用するブラケットにはシルバーが使用されている |
まずはマザーボードを搭載してみよう。対応規格はもちろんMini-ITX。搭載テストにはASRock「Z390 Phantom Gaming-ITX/ac」を用意した。
見て分かる通り、「DA2」には一般的なマザーボードトレイが無く、黒ネジで固定された「Vertical Bracket」2本を利用。予め装着済みのスタンドオフ4本で、四隅それぞれをネジ留めする。固定場所こそ特殊だが、作業自体は通常の手順となんら変わりはない。
「Vertical Bracket」はマザーボード固定幅に予め搭載済み。なおマザーボード付属のバックパネルだが、カットされた3mm厚アルミニウムに固定するとあって、「カチッ」とした装着感は無い |