エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.734
2019.04.18 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
ここからは、実際のゲームシーンを想定して「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」のベンチマークテストを実行する。設定はDirectX 11モードの「最高品質」を選択し、解像度は3,840×2,160ドットのカスタム解像度にセット。これまで同様に連続で30分間動作させている。なお、その際の消費電力は最大353Wだった。
「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」による各電圧の変化 |
「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」による各電圧の最大/最小/平均値 |
負荷の変動が大きなゲームプレイ時を想定したテストだが、その傾向は「3DMark」によく似ている。ベンチスタート時に+12Vが一瞬11.808Vに落ち込み、その後は11.9V~12.000Vに落ち着いた。やや定格割れしていると言っても、最大・平均の差はわずかに0.155V。これまで行ったテストの平均値との差もほとんどなく、常に一定の範囲で変動していることが分かる。
最後は、リアルタイムレイトレーシング機能の有効時に強烈な重さになる「Battlefield V」をプレイしてみる。描画品質は“最高”で解像度は3,840×2,160ドットにセット、シングルプレイヤーモード「大戦の書」の「最後の虎」をプレイし、その際の挙動を確認しよう。最大の消費電力は359Wだった。
「Battlefield V」による各電圧の変化 |
「Battlefield V」による各電圧の最大/最小/平均値 |
リアルタイムレイトレーシング機能の「DXR(DirectX Raytracing)」を有効化することで、FPSは通常プレイ時から半減。だいぶ良い構成のマシンながらプレイ感はモッサリだったものの、その環境でもグラフの波形は極めてフラットな点に驚かされた。例によってゲーム起動時に一瞬+12Vが落ち込むのだが、それ以降はほぼ定格にピタリ。負荷が刻々と変わる重量級タイトルにおいても、常に安定した動作を見せてくれた。
老舗のENERMAXがバリューゾーンに投入したGOLD認証モデル「REVOLUTION D.F.」シリーズは、複数の独自要素が光る電源ユニットだ。+12Vシングルレーンの製品が多くを占める中で、信頼性のためにあえて4系統設計を採用。4系統すべてをバランスよく使うように仕向け、最高出力を安定して使い切れるモデルに仕立て上げた。日本メーカー製コンデンサを100%採用するなど、品質面での高い水準も安定性を支えている。
さらに大口径ファンを備えた冷却機構にも、見るべきものが多い。逆回転ギミックによる独自のホコリ対策は、特に長期間の運用を考える上での大きなアドバンテージ。ファンを停止させず常時回転させる玄人好みの設計もまた、信頼性と静音性を高いレベルで両立させている。フルモジュラー式の優れた使い勝手など、トレンドも外さず欲しい要素はすべて盛り込まれている印象だ。
GOLD認証モデルの中ではやや高めの部類に入る「REVOLUTION D.F.」シリーズだが、それだけの価値は大いにある。ミドルレンジ帯で品質と機能にこだわって選ぶなら、見逃せないモデルになるだろう。
協力:株式会社クーラージャイアント