エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.737
2019.05.10 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
まずはメモリ関連のテストとして、「Sandra Titanium」の「メモリの帯域」を確認していこう。なおCore i9-9900Kでは、UEFIの標準設定に加えて、「CPU Power Management」の「Power Limit 1/2」を95,000mWに設定した状態でも計測を行っている。
DDR4を使った場合、Core i9-9900Kでは2,666MHz、Celeron G4900Tでも2,400MHzで動作するため帯域幅は20GB/secを優に超える良好なスコア。一方、DDR3では13GB/sec強で頭打ちとなり、DDR3を使うことによるメモリ帯域へのボトルネックはかなり大きい事がわかる。また「Power Limit 1/2」の設定による、有意な差は見られなかった。
続いて定番の3Dレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15/20」を使い、CPUの純粋なパフォーマンスをチェックしていこう。こちらもCore i9-9900Kでは、UEFIの標準設定に加えて、「CPU Power Management」の「Power Limit 1/2」を95,000mWに設定した状態でも計測を行っている。
まず「CINEBENCH R15」のスコアを確認すると、シングルコアではDDR3とDDR4の違いはCore i9-9900K、Celeron G4900Tとも2%未満でごくわずか。実際の運用でその違いを体感することはないだろう。またマルチコアテストでもCeleron G4900では差が2%しかなく、DDR3を使うことによるCPU性能への影響はかなり限定的であることがわかる。ただし、標準設定で800MHz前後まで頻繁にクロックが低下するCore i9-9900Kのスコアは約4割、「Power Limit 1/2」を95,000mWに設定した場合でも7割強に留まる。
続いて「CINEBENCH R20」のスコアを確認すると、Core i9-9900Kのシングルコアおよび、Celeron G4900Tのスコアの傾向は「CINEBENCH R15」とほぼ同様で、DDR3を使用することによる影響はやはり限定的。またCore i9-9900Kのマルチコアでは、標準設定で4割未満、95,000mWの設定でも6割未満で、BIOSTAR「H310MHD3」で使用するならTDPは65W以下のモデルに留めておいたほうが良さそうだ。
続いて、消費電力について確認していこう。アイドル時は起動後10分間放置した際の最小値、高負荷時の数値は「CINEBENCH R15」実行時における最大値を採用している。
エントリーモデルということで、搭載機能が少ないことが幸いして、アイドル時はCore i9-9900K、Celeron G4900Tとも約7W消費電力が低下。また高負荷時でもCeleron G4900Tでは約5W消費電力が低下し、常時起動しておく省電力PCでは「H310MHD3」は有望な選択肢になる。またCore i9-9900Kの高負荷時を確認すると、標準では瞬間的にではあるが「Z390 Extreme4」に匹敵する263.5Wを記録。その後は40W~260Wの間を激しく変動しており、電源回路の負荷を抑えるために保護機能が働いているのは間違いない。なお「Power Limit 1/2」を95,000mWに設定した場合でもクロックの変動が発生しており、「H310MHD3」でTDP95WのCPUを使うのはやはり控えたほうが良さそうだ。