エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.741
2019.05.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
電源ユニットは右側のエリアのボトムマウントスタイル。検証には80PLUS PLATINUM認証のCORSAIR「AX850」(型番:SKU CP-9020151-JP)を用意した。外形寸法はW150xD170xH86mmのフルモジュラー式電源ユニットだ。
台座後方には、電源ユニットの末端を支えるガイドを装備。長さに合わせ、8段階で移動ができるようになっている。ちなみに固定にはインチネジが使用されていた |
シャーシへの固定は背面からインチネジを使用。オーソドックスなスタイルながら、スペースの関係で電源ユニット本体は縦置きになる。なお有効スペース最大225mmに対し、170mmの「AX850」はまったく問題にならない。あまったケーブルを無造作に放置したところで、気にならないほどの空きスペースが確認できた。つまりモジュラー式コネクタの抜き挿しも、簡単に行う事ができるというワケだ。これも広い内部容積の恩恵と言えるだろう。
搭載テストには「CORSAIR Premium Individually Sleeved Type 4 Gen 4 プロフェッショナルキット」(型番:CP-8920226)を使用。ボディカラーに合わせたスリーブケーブル化は、手頃にできるドレスアップアイテムだ |
右側のエリアに集中させた、ストレージ収納機構。実際に2.5インチSSDおよび3.5インチHDDを搭載させてみよう。シャドウベイユニットは2タイプで、いずれも後方寄り電源ユニットの上部に固定されている。
2.5インチ兼用の3.5インチシャドウベイユニット(左)と、合計4段がジョイントされる2.5インチシャドウベイユニット(右)。シャーシには前者がリア3本と側面3本、後者がリア2本のネジでそれぞれ固定されている |
3.5インチHDDはABS樹脂製専用トレイに4本のピンで固定。これをケージにスライドさせる仕組み。幅の狭い右側のエリアだけに、垂直設置で最大3台のHDDが収納できる |
2.5インチSSDもツールフリー方式を採用。最大4台を水平設置で積み重ねるスタイルだ |
CORSAIRはこれを前面にアピールしていないが、「Crystal Series 680X RGB」の最大のセールスポイントは、大型Cube設計による大容量にある。さらに内部を上手く区画分けしたデュアルチャンバー設計により、各構成パーツの居住性はすこぶる良い。とかく熱源となるパーツ同士のクリアランスを確保する事で、冷却面で有利になるだけでなく、余計なストレスをかけない長寿命化にも貢献しているはずだ。また組み込みのし易さというメリットもある。
ATX規格マザーボードの周辺は、十分過ぎるほどの空間を確保。トップにマウントした240mmサイズラジエター周囲にも余裕があり、ハイエンドクラスの空冷CPUクーラーは小さく見えたほど。さらに電源ユニットのモジュラー式コネクタの抜き挿しは、間違いなくトップクラスの扱い易さだ。
フロントに標準搭載される3基の「LL120 RGB」ファンと、左側面の4mm厚強化ガラスから、魅せるPCが意識されている事は明らか。インテリジェントコントロールシステム「iCUE」を駆使して、ドレスアップPCを構築するのもいいだろう。フットプリント(占有領域)は多少考慮が必要だが、大型である事のメリットを最大限に生かした秀作である事は間違い無い。
協力:CORSAIR