エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.741
2019.05.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ここまで大型Cubeケースの外装から、特徴的なデュアルチャンバー設計の内部構造まで「Crystal Series 680X RGB」をくまなくチェックした。最終セッションでは構成パーツを用意し、実際に組み込み作業を行う。これまでの解説では分かりにくかったところや、取り付け作業で気が付いた事、さらには周辺クリアランスまで、より詳細に検証を進めて行こう。
なお、予めお断りしておくと、組み込み順序はマニュアル通りではなく、組み込みのし易い箇所から作業を行っている。
まずはマザーボードを搭載してみよう。E-ATX規格からのサポートだが、今回は一般的なATX規格のマザーボードを使用した。搭載方法は通常のPCケースと同じく、スタンドオフに付属の「MBD/HDD screws」でネジ留めすればいい。
実際に作業を行ってみると、さすがに開口部が広く、すこぶる作業がし易かった。なお装着済みのスタンドオフは、9本装備される内の中段/中央の1本のみピンタイプを採用。仮留め状態にあるマザーボードの位置決めに役立つ。
搭載テストにはMSI「MPG Z390 GAMING PLUS」を使用。基板サイズは305x244mmのATX準拠 |
マザーボード搭載後の周辺クリアランスは、上辺からトップパネルまでが実測約65mm、右端から標準装備冷却ファン「LL120 RGB」までが約80mm、下辺からボトムパネルまでが約75mmだった。この数値から内部の広さがお分かり頂けるだろう。
次にCPUクーラーを搭載してみよう。CPUクーラーの有効スペースは、高さ180mmまで。ミドルタワーPCケースの多くは160mm台だが、幅の広い左側のエリアに設置されるとあって、最大級の空冷クーラーが搭載できるようになっている。
搭載テストにはNoctua「NH-D15」を使用。140mmファンデュアル搭載の大型サイドフローで、高さは165mmにもおよぶ。とは言え高さ制限までにはまだ15mmほどの余裕がある |
次にマザーボードトレイ背面から、CPUクーラーメンテナンスホールの様子もチェックしておこう。CPUクーラーの搭載や換装時に利便性を発揮するカットアウトは、実測で幅約195mm、高さは約145mmだった。開口部は広く、大判のバックプレートも全てが露出できるだろう。ただし問題もあった。
大きくカットされたCPUクーラーメンテナンスホールだが、その上空半分程度を2つのシャドウベイユニットが覆い被さる事になる。よって、ピンが装着されたバックプレートを挿入する場合、一旦シャドウベイユニットを全て取り外さなければならない。組み込み後の換装時などは、配線が済んだストレージの存在が邪魔になるだろう。この点には改良の余地がある。
マザーボードトレイ背面のCPUクーラーメンテナンスホールを全て露出させるには、2つのシャドウベイユニットを取り外す必要がある |