エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.748
2019.06.26 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
Thermal Grizzly「Carbonaut」シリーズ(6月25日出荷) TG-CA-32-32-02-R(Intel LGA115x向け) 市場想定売価税抜1,830円 製品情報(Thermal Grizzley/親和産業) TG-CA-38-38-02-R(AMD Socket AM4/Intel LGA20xx向け) 市場想定売価税抜2,340円 製品情報(Thermal Grizzley/親和産業) TG-CA-51-68-02-R(AMD Socket TR4向け) 市場想定売価税抜4,260円 製品情報(Thermal Grizzley/親和産業) |
PCを冷却する上で、クーラー(またはヒートシンク)と並び重要になるのが、サーマルグリスおよびサーマルパッドだ。CPUやGPU、メモリなどの熱源と、それを冷却するクーラーとの間に塗布または挟み込むことで両者の隙間を埋め、断熱性の高い空気を排除する。これにより、熱源から発生した熱をロスなくクーラーに移動できるようになるワケだ。
基本的に熱伝導率が高く、薄いほうが効率的に熱を移動できることから、発熱の多いCPUやGPUには主にサーマルグリスが、比較的発熱の少ないメモリやSSDには扱いやすいサーマルパッドが使われている。しかし、サーマルグリスは基本的に毎回塗り直しが必要で、拭き取りにも手間が掛かる。さらに経年劣化するため、保管にあまり向かないという欠点もある。
一度組み上げたPCを構成を変えずに使い続けるなら問題はないが、頻繁にパーツを交換する人なら、CPUやGPUにも使えて、再利用ができるサーマルパッドがあればいいのにと考えたことがあるのではないだろうか。
厚さ0.2mmの炭素繊維素材を採用する「Carbonaut」。粘着性がないため、使用後は簡単に剥がせて再利用も可能だ |
その夢を叶えるのが、今回の主役であるThermal Grizzly「Carbonaut」だ。62.5W/m・kという高い熱伝導率と、柔軟性・密着性を兼ね備えた新設計の炭素繊維素材を採用することで、ハイエンドCPU/GPUに対応。もちろん安定性にも優れ、繰り返し使うことができる。
Thermal Grizzlyの製品一覧表を確認すると、液体金属の「Conductonaut」や、ハイエンドグリス「Kryonaut」ほどではないが、標準的なグリスと同等の熱伝導率を備えているという |
製品ラインナップは、CPU用がIntel LGA115x向け「TG-CA-32-32-02-R」、AMD Socket AM4/Intel LGA20xx向け「TG-CA-38-38-02-R」、AMD Socket TR4向け「TG-CA-51-68-02-R」、GPU用がNVIDIA GeForce RTX 2080向け「TG-CA-25-25-02-R」、NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti向け「TG-CA-31-25-02-R」の計5モデル。
使用後に保存ができるようジッパー袋兼用のパッケージを採用。裏面には10言語の簡易解説が記載されていた |
いずれも厚さは0.2mmで、使用温度範囲は-250℃~150℃。素材はシリコンフリーのため、低分子シロキサンガス等による接点障害の心配はないが、電導性があるため端子などに付着するとショートする危険性がある点には注意が必要だ。