エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.751
2019.07.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
CFDのPCI-Express4.0(x4)対応NVMe M.2 SSD「PG3VNF」シリーズを使い、「Heatsink Armor」の実力を検証する |
PCI-Express4.0に対応したことで、従来の2倍にあたる64Gbpsの帯域幅を利用できる「Hyper M.2」。対応SSDを使えば、これまでRyzen Threadripperや、Core XシリーズのNVMe RAID(CPUレーンを使用)が必要だった3.5GB/secを超える、高速ストレージ環境を構築できるようになった。ただし、高速化に伴いM.2 SSDの発熱はさらに増加し、これまで以上に冷却システムの良し悪しが重要になる。
付属のドライバを使い「Heatsink Armor」を外すと、3スロットの「Hyper M.2」が姿を表す。なおSSDはアルミニウム製の「Heatsink Armor」に加え、チップセットファンの風を使い、効率的に冷却される |
そこでここからは「X570 Taichi」で導入されている、基板下半分を覆う大型の「Heatsink Armor」の実力を検証していこう。テスト用のSSDにはPCI-Express4.0接続に対応するNVMe M.2 SSD「PG3VNF」シリーズを使い、負荷テストは「CrystalDiskMark 6.0.2」のデータサイズ32GiB、テスト回数9回を3回連続で実施。その温度と転送速度の推移を「HWiNFO64」で測定した。
ヒートシンクなしの「CrystalDiskMark 6.0.2」スコア | ヒートシンク装着時の「CrystalDiskMark 6.0.2」スコア |
「CrystalDiskMark 6.0.2」のスコアは、測定時の最高値が表示されるため、「ヒートシンクなし」「ヒートシンク装着時」でスコアに大きな違いは見られない。しかし、詳細グラフを確認すると「ヒートシンクなし」では、テストの開始とともに温度が一気に上昇し、最高で84℃を計測。その後はサーマルスロットリングによって転送速度を調整し、温度が上がりすぎるのを防止している事がわかる。
一方「ヒートシンク装着時」は温度の上昇が緩やかになり、最高温度も52℃で頭打ち。サーマルスロットリングと思われる症状もなく、シーケンシャルアクセスもほぼフラットなグラフだ。大型の「Heatsink Armor」と、チップセットファンの風を組み合わせた「X570 Taichi」の冷却システムなら、今後さらに高速なSSDが登場した場合でも、冷却性能が不足することはないだろう。