エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.753
2019.07.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
第3世代RyzenシリーズとAMD X570チップセットを組み合わせることで、PCI-Express4.0に対応する |
コア数の増加や、IPCの向上に加え、第3世代Ryzenシリーズでは、世界で初めてPCI-Express4.0をサポートするのも大きなトピックだ。そしてこのPCI-Express4.0に対応するチップセットとして新たに「AMD X570」が登場している。
AMD 400シリーズ(左)と比較すると、AMD X570(右)では、チップセットの外観も大きく変更されている |
PCI-Express4.0では、レーンあたりの帯域幅がPCI-Express3.0の2倍に拡張されている。これにより、帯域幅がボトルネックになっていたNVMe SSDでは、大幅なパフォーマンスアップが期待できる。実際、CPUとほぼ同時に発売が開始されたPCI-Express4.0(x4)接続のNVMe M.2 SSDでは、すでに最高5,000MB/secを超えるパフォーマンスを実現しており、今後さらに転送速度は向上していくことだろう。
CFDのPCI-Express4.0(x4)対応NVMe M.2 SSD「PG3VNF」シリーズのベンチマーク結果。シーケンシャル読込は5,000MB/secを上回る |
一方、グラフィックス系アプリケーションやゲームでは、データをグラフィックスメモリに転送してから描画処理を行うのが主流のため、アプリケーション(ゲーム)の起動時間や、描画を開始するまでの時間が短縮される可能性はあるものの、実際の描画性能への影響は限定的になりそうだ。
AMD X570ではCPUとチップセット間の接続にもPCI-Express4.0を使用する。またUSB3.1 Gen.2はCPUと合わせて最大12ポート利用でき、拡張性は非常に高い |
なおPCI-Express4.0は使えないものの、従来のAMD X470/B450および、AMD X370/B350チップセットでもBIOSをアップデートするだけで、第3世代Ryzenシリーズを使用できる。一部機能に制限はあるものの、同一マザーボードを長く使い続けることができるのは、AMDプラットフォームの大きな魅力と言えるだろう。
各チップセットのCPU対応表。電源回路など、マザーボードの設計による部分もあるが、基本的にAMD A320以外はBIOSをアップデートするだけで、第3世代Ryzenシリーズに対応する |