エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.752
2019.07.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
AMD「Radeon RX 5700 XT」市場想定売価税込51,300円から(2019年7月7日発売) 製品情報(AMD) AMD「Radeon RX 5700」市場想定売価税込45,900円から(2019年7月7日発売) 製品情報(AMD) |
約7年半ぶりに更新された新アーキテクチャ「RDNA」を採用する「Radeon RX 5700」シリーズ |
2019年7月7日19時(午後7時)に発売が解禁された、開発コードネーム「Navi」こと、AMDの新GPU「Radeon RX 5700」シリーズ。今年2月に登場した「Radeon VII」の下位に位置づけられる製品で、ターゲットとなる解像度は1440p(WQHD解像度)までになる。またコアアーキテクチャには、2011年12月に発表された「GCN」(Graphics Core Next)以来、約7年半ぶりに更新されたゲーミング向け「RDNA」(Radeon DNA)を採用する。
「RDNA」のブロックダイアグラム図。一見すると「GCN」から大きな違いはないが、ゲーミング性能を高めるため、随所に改良が加えられている |
「RDNA」では、コンピュートユニット(CU)1基あたり、64基のストリームプロセッサ(SP)を搭載する構成は継承しつつ、スカラーユニットやスケジューラーを2倍に拡張。さらに現行のWave 64に比べて処理サイクルを短縮できるWave 32への対応や、1次キャッシュの追加、レイテンシの削減、2次キャッシュの混雑の解消などの改良が加えられている。
スカラーユニットやスケジューラーの拡張に加え、Wave 32にも対応する |
またPCI-Express3.0の2倍の帯域幅を実現しているPCI-Express4.0に対応するのも大きなトピック。データをグラフィックスメモリに転送してから描画処理を行う現在の方式では、描画性能自体に劇的な改善は見込めないが、処理の準備に掛かる時間は短縮できるようになる。
さらに7nmプロセスによる高クロック化や、メモリスピード14Gbpsの高速なGDDR6メモリを採用することで、Radeon RX Vegaシリーズからワットパフォーマンスは1.5倍、ダイ面積あたりの性能は2.3倍に向上しているという。ただし、ハードウェアレイトレーシング機能の実装については、残念ながら次世代アーキテクチャ「RDNA 2」以降に持ち越された。
「RDNA」では「GCN」に比べてワットパフォーマンスは50%向上。その内訳はクロックあたりの性能向上が約60%、7nmプロセスの採用が約30%、クロックの向上が約10% |
AMDのロードマップには、すでに7nm+を採用する「RDNA 2」の表記も。ハードウェアレイトレーシング機能の実装はおそらくこの「RDNA 2」からになりそうだ |
製品ラインナップはCU数40基、ブーストクロック1,905MHzの「Radeon RX 5700 XT」と、CU数36基、ブーストクロック1,725MHzの「Radeon RX 5700」の2モデル展開。いずれもビデオメモリはGDDR6 8GBで、リファレンスモデルのVGAクーラーにはブロワーファンを採用する外排気クーラーを搭載する。
「Radeon RX 5700」シリーズでは、ベースクロックとブーストクロックに加え、ゲームなど長時間駆動時の動作クロックとしてゲームクロックが追加された |
「Radeon RX 5700 XT」と対抗となるGeForce RTX 2070のゲームパフォーマンスの比較 | 「Radeon RX 5700」と対抗となるGeForce RTX 2060のゲームパフォーマンスの比較 |
なお既報の通り、「Radeon RX 5700 XT」にはAMD 50周年を記念した「AMD Radeon RX 5700 XT 50th Anniversary Edition」も用意されている。ただし、こちらは北米市場と中国市場のみの販売になるとのこと。
ゴールドのオリジナルクーラーを搭載し、クロックを高めた特別モデル「AMD Radeon RX 5700 XT 50th Anniversary Edition」。残念ながらいまのところ国内発売の予定はない |