エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.754
2019.07.18 更新
文:松野 将太
引き続き「CrystalDiskMark 6.0.2」を使って、主にデータサイズによる性能への影響を確認していこう。データサイズは50MiB~32GiBまで、現在ソフト側で用意されている9種類すべてのプリセットを利用してテストを実施している。
【50MiB】 | 【100MiB】 |
【500MiB】 | 【1GiB】 |
【2GiB】 | 【4GiB】 |
【8GiB】 | 【16GiB】 |
【32GiB】 |
シーケンシャルアクセスの最高速度は、読込が562MB/sec、書込が最高532.5MB/secと、ほぼ公称値と同じ値でSATA3.0(6Gbps)インターフェイスの限界に迫る結果だった。いずれのデータサイズでも結果は極めて安定しており、誤差はほぼ1%未満にとどまる。
ランダムアクセスでは、小さなデータサイズでは速度がわずかに遅くなるものの、こちらも誤差レベルで、4KiB Q8T8の読込が最高385.3MB/sec、書込が最高342.9MB/secという結果になった。
最後に「ATTO Disk Benchmark 4.00」で、シーケンシャルアクセスの最高性能を確認しておこう。
「ATTO Disk Benchmark 4.00」 |
最高値は読込が535.81MB/sec、書込が507.49MB/secで、「CrystalDiskMark 6.0.2」の結果ほどではないが、こちらも高速な転送速度を記録している。512B~16KB前後のごく小さいデータサイズで通信する際の出だしがやや遅いのが目につくものの、NASに装着して常時それなりの大きさのデータを運用することを想定した本製品の性質を考えれば、それほど気にする必要もないだろう。
以上の結果から見て、「ZA1920NM10001」の性能はSATA SSDとして文句なしと言えるものだ。SATA SSDの市場自体はすでに円熟期に入っており、SATA3.0(6Gbps)インターフェイスの限界に迫る性能を発揮する製品は非常に多い。しかし「IronWolf 110 SSD」の本質は、高い水準の性能を備えつつ、それに加えて長期運用におけるエンタープライズレベルの信頼性や安定性を担保してくれる点にこそあると言えるだろう。高価でも信頼できるSSDを求めるのであれば、「IronWolf 110 SSD」は十二分にそのニーズに応えてくれるはずだ。