エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.754
2019.07.18 更新
文:松野 将太
ASUSTOR「NIMBUSTOR 2」 (型番:AS5202T) 実勢売価税込41,000円前後 製品情報(ASUSTOR) |
今回の検証で「IronWolf 110 SSD」と組み合わせるためにチョイスしたNASは、2019年5月に販売がスタートしたASUSTOR「NIMBUSTOR 2」 (型番:AS5202T)。リンクアグリゲーション対応の2.5ギガビットLAN×2を備える2ベイ仕様のNASで、同社としては初めて“ゲーミングをコンセプトにした外観”を採用しているのが特徴だ。ちなみに製品名である「NIMBUSTOR」は、Nimbus(雨雲、豪雨、後光、光輪といった意味)+Storageを組み合わせた造語で、こちらもゲーミングを意識しているという。
LACPでのリンクアグリゲーションを構築する必要はあるが、2ポートを束ねることで最大5Gbpsでの通信にも対応する。単に通信速度を出したいのであれば10Gbps対応のNASを用意するほうが早く、むしろ2.5Gbpsのポートを2つ利用できるのが魅力と言える |
デザインと名前をゲーム向けに寄せただけでなく、専用OS「ADM」がゲーミングを意識したテーマに差し替わっているほか、TwitchやYouTubeといった動画配信サイトのアーカイブ動画をダウンロードしたり、サブスクリプションを抽出して自動でリスト化してくれるストリーマー向けの機能「Takeasy」などもADM経由で提供される。ネットワークの高速化により、PCゲームの4Kストリーミング映像を直接NASに保存していくといった用途も想定しているようだ。
通信速度の高速化により、高解像度のゲーム動画なども直接NASに保存しやすくなっている。NASでまとめて管理したいユーザーにはありがたい |
ユニークな外観により、ともすればエントリーユーザー向けに見えるかもしれないが、性能的にはコアユーザーを唸らせるような骨太の仕様を揃えている。LACP(IEEE 802.3ad)によるリンクアグリゲーションで最大5Gbpsの通信速度を発揮できることに加え、個人向けNASではなかなかないiSCSI環境の構築も可能。本体背面のHDMI 2.0aポートで10ビットの4Kハードウェアデコード、VP9 10bit Profile2にも対応するなど、Wi-Fiで運用するというよりは、どちらかといえばスイッチを活用するような法人向けに近い仕様だ。
CPUはデュアルコアの「Celeron J4005」。キャッシュが4MBに倍増したこともNASの性能向上に寄与している |
加えてIntel Gemini Lake世代のデュアルコアCPU「Celeron J4005」(デュアルコア/定格2.0GHz/TB時2.7GHz)を採用したことで、従来のApollo Lake世代CPU搭載モデルから30%のパフォーマンス向上を実現。2GBのDDR4 SO-DIMMを搭載するほか、最大8GB(4GB×2)へのメモリのアップグレードにも対応する。ざっと挙げただけでも豪華な仕様で、「IronWolf 110 SSD」のポテンシャルを生かすにはうってつけのNASと言えるだろう。
ラインナップには4ベイ仕様の「NIMBUSTOR 4」(型番:AS5304T)も用意される。実勢売価税込60,000円前後 |