エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.754
2019.07.18 更新
文:松野 将太
いよいよ「IronWolf 110 SSD」を装着し、セットアップの工程や実際のパフォーマンスを見ていこう。NASにはさきほどのテストで使用した容量1.92TBの「ZA1920NM10001」を2台装着し、テスト機材はSSDのパフォーマンステストと同一のPCを使用。加えて別途、10ギガビット対応のLANカード2枚およびスイッチを用意している。
まずはトレイにSSDを装着。その際3.5インチストレージ接続用のサイドパーツを外さないと干渉してしまうので注意 |
4隅を背面からネジ止めできたら、ドライブベイに戻して奥までしっかり差し込む。これで装着は完了 |
NASの準備が完了したら、PCに「ASUSTOR Control Center(ACC)」をインストールする。ACCを立ち上げてスキャンを実行すると、同一ネットワーク内にある「AS5202T」が自動的に認識されるはずだ。この時点ではNASがセットアップされていないため、クリックして初期設定を完了させよう。
「ASUSTOR Control Center(ACC)」を立ち上げた画面。スキャンによりNASが認識されるが、初期化が終わらないと利用はできない |
ACC上でNASの名前をダブルクリックすると初期化が開始される | ここでは「NASを初期化してください」を選択 |
より詳細な指定が可能な「カスタムセットアップ」を実行した | RAIDボリュームの選択画面。高速化と大容量化が望めるRAID 0を選択した。ここでいったんストレージが初期化される |
初期化が完了すると、専用OSである「ADM」が立ち上がる。ここからNASの設定やアプリのインストール、リンクアグリゲーションの構築などが可能だ |
ASUSTOR製NASの専用OS「ADM」は、純正・サードパーティーのアプリが揃うストア「App Central」からアプリを導入することで、用途に合わせて機能を拡張していけるのが大きな特徴だ。初心者でも必要な機能にアクセスしやすく、シンプルな管理が可能になるのは非常に嬉しい。
アプリのインストールや各種設定、モニタリングなど一通りの操作が可能。背景はNIMBUSTORシリーズ用にカスタマイズされた専用テーマになっている |
アプリストア「App Central」。一覧だけではなく、純正アプリや人気アプリごとに表示するタブもあり、使い勝手は悪くない |
NASの定番とも言える写真アプリ「Photo Gallery」。タグごとの写真整理なども可能だ |
ゲーミング系のアプリで便利なのが、YouTubeやTwitchといった動画配信サイトの動画をNAS内にアーカイブできる「Takeasy」だ。近年の動画サイトには、日夜おびただしい数のゲーム実況・配信が投稿されているのは周知の通り。しかし、特にTwitchの場合、特定チャンネルの動画のアーカイブ期間には限りがあるため、見ようと思っていたのにいつの間にか消えてしまっていた、などということも少なくない。
ダウンロードしたい動画のリンクを入力し、保存先と品質を選択 | ボタンを押すとダウンロードが開始される |
アカウントと紐づけることで、フォローやサブスクライブ済みの動画リストをダウンロード可能 | 複数のチャンネルをまとめて一覧で表示してくれる上、そのままダウンロードもできるのは非常に便利だ |
「Takeasy」は、指定の動画配信サイト(YouTubeまたはTwitch)の動画リンクを入力することでNAS内にダウンロードが可能なほか、アプリと自分のアカウントを紐づけることで、フォロー・サブスクリプション済みのチャンネルの動画リストを一括で自動ダウンロードできるのが大きな特徴。気に入った動画をNAS内にコレクションしておけるため、あらかじめダウンロードしておき、家の外からネットワーク経由でアクセスして楽しむのもアリだろう。実際に6時間超の動画をダウンロードしてみたが、時間はかかるものの特に問題なくアーカイブできた。
先に述べている通り、「AS5202T」は2ポートの2.5ギガビットLANを束ねる「リンクアグリゲーション」に対応している。別途スイッチなどの導入は必要になるものの、よりリッチなネットワーク環境を構築したければ試してみるのも手だ。
設定→ネットワークと進み、ネットワークインターフェイスのタブから「作成 リンクアグリゲーション」をクリックする | 束ねるポートとアグリゲーションモードを設定。今回はLACP対応スイッチが用意できなかったため、「XOR(Balance XOR)」で試している |
これでNAS側の設定が完了。別途スイッチや、必要ならばPCのLANカード側の設定をする |
なお、性能向上を目的にするなら「IEEE802.3ad(LACP)」モードで動作させるべきなのだが、今回は機材調達の都合でLACP対応スイッチを用意できなかったため、対応スイッチが必要ない負荷分散設定「XOR(Balance XOR)」で試している。
XORは負荷分散と耐障害性の向上が主な目的であり、速度には大きな影響がない。最大5Gbpsのリンクアグリゲーションが必要であれば、LACP対応スイッチなどを用意する必要がある |