エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.758
2019.07.26 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
「X570 Taichi」に標準装備されるヒートシンクで、発熱をどこまで抑えることができるのかチェックしてみることにした |
冒頭でも触れた通り、汎用性を考慮し敢えてヒートシンクを搭載していない「PG3VNF」シリーズ。しかし、製品ページを確認すると、安定したパフォーマンスを発揮するには冷却機構は必須とのこと。そこで、ヒートシンクなしの状態と、マザーボードの標準ヒートシンクを搭載した場合で、どの程度温度に違いが出るのか最後にチェックしておこう。負荷テストは「CrystalDiskMark 6.0.2」のデータサイズ32GiB、テスト回数9回を3回連続で実施。その温度と転送速度の推移を「HWiNFO64」で測定した。
「ヒートシンクなし」では、テスト開始とともに温度が一気に上昇し、最高で84℃を計測。その後はサーマルスロットリングによって、転送速度を落とすことで、温度上昇を抑えている事がわかる。一方「ヒートシンク装着時」は温度の上昇が緩やかになり、サーマルスロットリングと思われる症状も完全に解消することができた。
これまでのNVMe M.2 SSDを同じく、発熱対策は必須だが、マザーボードに標準装備されているヒートシンクで十分冷却が可能。PCI-Express4.0に対応したからといってそれほど神経質になる必要はなさそうだ。
第3世代Ryzenシリーズに合わせるように投入された、国内初のPCI-Express4.0(x4)対応NVMe M.2 SSD「PG3VNF」シリーズ。さすがに64Gbpsの広大な帯域幅すべてを使い切ることはできていないが、PCI-Express3.0(x4)のボトルネックは完全に解消され、シングルSSDでは間違いなく現行最高峰のパフォーマンスを発揮する。
当初懸念していた発熱も劇的な上昇とまでは行かず、マザーボードの標準ヒートシンクで十分対応が可能。使えるプラットフォームは、第3世代RyzenシリーズとAMD X570チップセットの組み合わせに限定されるが、RAIDのような面倒な設定を行うこと無く、簡単に5.0GB/secを超えるストレージ環境を構築できるのは大いに魅力的だ。
価格もPCI-Express3.0接続のハイエンドモデルとほぼ同じレベルに抑えられていることから、第3世代Ryzenシリーズを使いハイパフォーマンスなPCを組むなら、CFD「PG3VNF」シリーズを導入しない理由は正直見つからない。
協力:CFD販売株式会社