エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.762
2019.08.06 更新
文:松野 将太
MSI「P65-9SE-473JP」 実勢価格288,000円前後(2019年5月発売) 製品情報(Micro-Star International) |
「P65-9SE-473JP」は、MSIのクリエイター向けシリーズ「P65 Creator」の上位モデル。デザイン面での大きな特徴としては、薄さ17.9mm、重量1.9kgで14インチ相当のスリムな筐体を採用しながら、15.6インチの4K(3,840×2,160ドット)ディスプレイを搭載することが挙げられるだろう。特に映像制作などの現場では、スタジオを離れて屋外で作業するような場合も多いと思うが、そうした時にこのコンパクトさが生きてくる。
ディスプレイのベゼルは最薄部4.9mmの狭額縁デザインを採用。これにより、一般的な14インチの筐体サイズで15.6インチディスプレイを搭載することに成功している |
CPUはIntelのノートPC向け第9世代CoreプロセッサーCore i7-9750H。6コア/12スレッド、TB時4.5GHz駆動など、メニーコア化が進む前のデスクトップ向け第7世代Coreプロセッサー上位モデルに比肩するパフォーマンスで人気のCPUだ。GPUはNVIDIAのGeForce RTX 2060で、画像・動画編集ソフトにおけるGPU支援はもちろん、最新のPCゲームをプレイできるだけのポテンシャルを備えている。クリエイター向けとは言いつつ、あらゆる用途に対応できると言っていいだろう。
「CPU-Z」で取得した「Core i7-9750H」のスペック。アイドル時は900MHz前後、全コアを活用する「CINEBENCH R15」テスト中は3.6GHz前後で動作していた |
「GPU-Z」で取得した「GeForce RTX 2060」のスペック。ベンチマーク中はおおむね1300MHz前後で動作 |
メモリ容量は32GB(DDR4-2666/16GB×2)、ストレージは512GB M.2 NVMe SSDとこちらも余裕のあるスペックで、Thunderbolt 3(Type-C)、HDMI、Mini DisplayPortと3系統の映像出力端子を備えているのもポイント。バッテリ駆動時間は最大6時間(JEITA2.0)を実現しており、充電できない環境でも数時間は作業可能と、クリエイティブ作業に使うノートPCとして、必要とされそうな要素をしっかり押さえているのは評価できる。
MSIの独自ユーティリティ「Creator Center」。ハードウェアの簡易モニタリング機能やパフォーマンスモードの切り替えに加え、特定のクリエイティブ系アプリ使用時の動作を最適化する「クリエーターモード」を有効/無効化できる |
加えて本製品を“クリエイター向けモデル”たらしめている特徴のひとつのが、著名なクリエイティブ系アプリの最適化ユーティリティ「Creator Center」だ。Adobeの「Photoshop CC」や「Lightroom Classic CC」といったアプリの動作中にPC性能を最適化できるほか、システムの簡易モニタリングや電源プランの変更に対応し、アプリやバッテリー容量にあわせたきめ細かなPC運用が可能になる。このあたりの使い方は、後半のセッションでも詳しく紹介していこう。
ちなみに「P65 Creator」のラインナップには実勢価格213,000円前後の下位モデル「P65-9SE-472JP」も存在する。こちらはディスプレイ解像度がフルHD(1,920×1,080ドット)、メモリ容量が16GBにスペックダウンするものの、搭載するCPUやGPUは変わらないため、よりコストを抑えて導入したい場合に魅力的だ。どちらのモデルも国内の量販店・PCショップにて販売している。