エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.765
2019.08.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ファンの回転数を確認すると、省電力機能が有効に働き、発熱が大幅に低下するアイドル時は定格・OC時とも1,100rpm前後で推移し、まだ冷却性能には余裕がある。また高負荷時はいずれも公称最大値を超える1,950rpm前後まで回転数が上昇。コア電圧をさらにかけてより高クロック動作を狙うなら360mmラジエターを採用する上位モデル「CASTLE 360RGB V2」を選択したほうが良さそうだ。ただし、Ryzen 9 3900Xの常用クロックはおおむね4.20GHz~4.30GHz程度と言われており、普段使いであれば「CASTLE 240RGB V2」で冷却性能が不足することはないだろう。
続いて、騒音値を確認すると「Wraith Prism with RGB LED」との比較ではアイドル時で4.3dbA、高負荷時では9.7dBAもの差がついた。「CASTLE 240RGB V2」でも高負荷時はファンが最高回転で動作するため、決して静音ではないが、PCケースに入れて机の下などにおいてしまえば耐えられるレベル。一方、「Wraith Prism with RGB LED」ではファンの口径が小さいこともあり、そのノイズはかなりけたたましい。長時間高負荷状態が続く、動画エンコードなどで騒音に悩まされているなら、「CASTLE 240RGB V2」に換装することで、その不満は軽減できるだろう。
今回はDeepcoolの新型オールインワン水冷ユニット「CASTLE 240RGB V2」をあれこれいじり倒してきた。まず主たる冷却性能についてだが、メインストリーム向けでは初の12コア/24スレッドモデルRyzen 9 3900Xに対して、常用オーバークロックを可能にするなど、良い仕事をしてくれた。さらにリテールクーラーとして付属する「Wraith Prism with RGB LED」から騒音も大幅に削減でき、換装するメリットは確実にある。
またウォーターブロックや、冷却ファンに実装されている色鮮やかなアドレサブルRGB LEDの存在も、ケース内のドレスアップを考えている人にとってはアピールになるだろう。付属のリモコンがワイヤレス式だったらなお良かったが、アドレサブルRGB LEDを搭載した240mmラジエター水冷ユニットでは、最廉価帯のモデルということを考慮すれば致し方ない。さらに最近ではミドルレンジ以上のマザーボードには、イルミネーション機能が標準装備されていることから、大きなデメリットにはならないはずだ。
液漏れを防ぐ「Anti-leakテクノロジー」に関しては、より長期的な検証が必要だが、こういった機構を備えているという事自体が、ユーザーの不安を解消するのに大きな意味を持つ。よりパワフルになり、長く付き合えるであろう第3世代Ryzenシリーズ。十分な冷却性能に加え、高い耐久性・信頼性を謳う「CASTLE 240RGB V2」はまさにピッタリな相棒になるだろう。
協力:株式会社アスク
Deepcool Industries Co., Ltd.