エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.767
2019.08.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
最上位「X570 AORUS XTREME」(Infineon製)とはコントローラが異なるものの、「X570 I AORUS PRO WIFI」(IR35201)でもフェーズダブラーを使わないダイレクト駆動の電源回路を搭載する |
基板スペースが極端に制限されるMini-ITXマザーボード。スペースに余裕があるATXマザーボードのように、10フェーズを超える電源回路を搭載するのは難しい。そこで「X570 I AORUS PRO WIFI」では、フラッグシップモデル「X570 AORUS XTREME」と同じ、フェーズダブラーを使用しない高効率なダイレクト駆動の電源回路を採用している。さらにMOSFETに、サーバーグレードの「Infineon 70A Power Stage」を搭載することで8フェーズながら、ハイエンドモデルに匹敵する安定した電力供給を可能にしている。
GIGABYTEによれば、ダイレクト駆動の電源回路は、フェーズダブラーを使用する従来タイプより、最大約4%電源効率が向上しているという |
また冷却機構として、8基全てのMOSFETをカバーする大型のヒートシンクを実装。さらに従来のサーマルパッドに比べて2.7倍の熱伝導効率を謳う、厚さ1.5mm、5W/m・kの高熱伝導パッドを組み合わせることで、冷却性能も高められている。
フェーズダブラーを使わないダイレクト駆動を採用する8フェーズデジタル電源回路 |
ドライバICやフェーズダブラーが不要になったことで、省スペース化を実現。またコンデンサにも小型なタンタルコンデンサが採用されていた |
MOSFETを冷却するヒートシンクには、厚さ1.5mm、5W/m・kの高熱伝導パッドを貼り付け | Socket AM4おなじみのメタル製バックプレートを採用しており、大型のクーラーを搭載した場合でも基板が歪む心配はない |
Socket AM4向け最上位チップセットAMD X570を搭載する「X570 I AORUS PRO WIFI」。コンシューマ向けでは、世界で初めてPCI-Express4.0に対応し、第3世代Ryzenシリーズを組み合わせることで、AMD Radeon RX 5700シリーズや、「AORUS NVMe Gen4 SSD」などのPCI-Express4.0対応機器の性能を最大限に発揮することができる。またSSDとHDDを1つのドライブとして扱い、高速かつ大容量なストレージ環境を構築する「AMD StoreMI」が利用できる。
第3世代Ryzenに合わせて発表されたAMD X570。敢えて使おうとする人はあまりいないと思うが、初代Ryzenや、Athlon系のCPU/APUには基本的に非対応 |
またチップセットの冷却には、M.2 SSDの冷却機構も兼ねたファン付きヒートシンク「M.2 Thermal Guard Multi-Layered Heatsink」を搭載する。冷却ファンは、MTBF60,000時間の高耐久30mm口径ファンで、回転数はファンコントローラユーティリティ「Smart Fan 5」を使い制御できる。
AMD X570には、ファン付きヒートシンク「M.2 Thermal Guard Multi-Layered Heatsink」を搭載。なおその下にあるPCI-Express(x16)スロットはもちろんPCI-Express4.0に対応 |
M.2 SSD用ヒートシンク「M.2 Thermal Guard」と一体となったチップセットヒートシンク。基板には2本のネジで固定されていた |