エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.773
2019.09.12 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
次はゲーム系ベンチマークを動作させ、より“実戦”に近い環境における挙動を確認しよう。テストには、MMORPGのメジャータイトル「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ」のベンチマークをチョイス。グラフィックス設定は「最高品質」、解像度は3,840×2,160ドットにセットし、30分間ループ実行した際の状態を確認することにした。
消費電力は最大387Wであり、先ほど同様にほどよい負荷がかかっている。グラフも「3DMark」に近い傾向で、ほとんど変動がみられないフラットな波形になった。最大/最小値が12.000~11.904の範囲に収まっているのもこれまで同様であり、かなり一貫性のある動作であることが分かる。+5Vと+3.3Vの波形もまったく乱れず、定格を割ることもなかった。
最後は実際にゲームプレイ時の挙動を確かめてみよう。プレイタイトルは重量級の「Battlefield V」で、描画品質は“最高”、解像度は3,840×2,160ドットに設定した。プレイにはシングルプレイヤーモード「大戦の書」の「最後の虎」を選択し、30分間動作させた状態をモニターする。
最大消費電力は371Wで、これまでで最も理想的な負荷環境での動作となった。そして突発的に負荷がかかることも多いゲームプレイ時ながら、グラフの波形にはまったく乱れなし。ちなみに「Battlefield V」の動作時のみ、+12Vの最大値12.96Vかつ平均値12.003Vと、ほぼ定格以上の出力を維持していた。システムの安定性を支える電源ユニットとして、その実力は十分と言える。
80PLUS GOLD認証の750Wモデル、なおかつフルモジュラー仕様。この構成で「AG-750M GOLD」は市場最安であり、それが一番分かりやすい魅力であるのは間違いない。マルチGPU構成やハイエンド級のシステムにも対応と、だいぶ広い層のユーザーにキャッチアップできる。こうしたモデルが実売8,000円弱とは驚きだが、Apexgamingの日本進出第1弾ということで、戦略的な価格設定がなされているのかもしれない。
信頼性が物を言う電源ユニットだけに、本来“安物”は避けたい心理が働く。しかし「AG-750M GOLD」には、10年保証に裏打ちされた信頼性があり、それでいて安いという特徴がある |
そして最も重要なことは、単に安いだけではないということ。電源ユニットの本分である高い安定性を備え、さらにクラス最高の10年保証という手厚いサポートもつく。セミファンレス機能をはじめ、オプション的な装備やギミック、さらに装飾の類もナシと徹底しているが、むしろその点が分かりやすい。説得力があり、安心できる低価格モデル。その立ち位置から新定番を狙う、期待のニューカマーの今後に注目したい。
協力:LittleGiant株式会社
Apexgaming