エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.775
2019.09.18 更新
文:松野 将太
さっそく、3Dレンダリング系の定番ベンチマークソフト「CINEBENCH R15/R20」を使い、CPUの純粋な性能をチェックしていこう。
どちらもマルチスレッドでのテストが2,000を超える、メニーコアCPUらしい優秀な結果が出た。スコアはシングル・マルチともにRyzen 7 3800Xのほうが高いが、その差はごくわずかだ。物理4コアの時代ならともかく、8コアが当たり前になってきた昨今では、この程度の差はそれほど問題にならないだろう。
メニーコアCPUでのテストを想定した「CINEBENCH R20」においてもスコアの傾向は同じ。実際のところ「Ryzen 7 3700X」と「Ryzen 7 3800X」は、負荷をかけた時の最大動作クロックが100MHzほどしか変わらないため、このようなテストで最高性能を計測する場合、劇的な差は出ないと言っていい。特にオーバークロックなどをせず運用するのであれば、「Ryzen 7 3700X」のコストパフォーマンスの良さは特筆すべきだろう。
同じくCPUを使ったレンダリング系のテスト「V-Ray Next Benchmark」の結果も見てみよう。
どちらも10,000ksamplesを超える結果が出ており、こちらのテストでも両者の差は2%未満にとどまる。「V-Ray Next Benchmark」は計測結果によってスコアが多少ぶれる場合があるが、計測回によっては「Ryzen 7 3700X」が「Ryzen 7 3800X」のスコアを超えている場合もあった。両者の差はわずかな動作クロックの違いによるため、このような逆転現象はそれほど珍しくない。
動画エンコード系のベンチマークテスト「HWBOT x265 Benchmark」も試してみた。「1080p」および「4K」の2つの動画サイズで、エンコード完了までのフレームレートを計測している。
このテストでは実際に「Ryzen 7 3700X」が「Ryzen 7 3800X」をわずかに上回るフレームレートを出した。とはいえ、このテストにおいて1~2fps程度のぶれは起こり得るため、差があるというよりは「ほとんど同等」と言うほうが正確だろう。価格差を考えれば、「Ryzen 7 3700X」の優秀さが光る結果だ。