エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.776
2019.09.21 更新
文:松野 将太
Lenovo「IdeaPad 330(81D2001RJP)」 実勢価格62,000円前後(2019年9月現在) 製品情報(レノボ・ジャパン株式会社) |
Radeonグラフィックスを内蔵するノート向けの「Ryzen Mobile」。内蔵グラフィックスにこだわるのであれば、競合Intelよりも魅力的と言える |
「IdeaPad 330」について紹介する前に、本製品のプロセッサである「Ryzen Mobile」について少し触れておこう。AMDの「Ryzen」といえばデスクトップPC向けCPUの知名度が非常に高いが、モバイル向けのモデルとしてRadeon Vegaグラフィックスを統合したCPU、いわゆるAPUを並行展開している。「Zen」コアアーキテクチャやSenseMIテクノロジーの採用といった基幹となる仕様はデスクトップ版Ryzenと変わらず、TDPを45W以下に抑えたモデルをランナップしているのが特徴だ。
「IdeaPad 330」に搭載されているAPUは、第1世代Ryzen MobileのハイエンドSKU「Ryzen 7 2700U」となる。4コア/8スレッド動作で定格クロックは2.2GHz、最大ブーストクロックは3.8GHzと、ノートPC向けのCPUとしてはかなりの高性能。それでいてデフォルトTDPは15Wに抑えられており、ひと昔前のノートPCでは考えられないほどのキビキビとした動作を実現する。
内蔵GPU「Radeon RX Vega 10 Graphics」。Zenアーキテクチャを採用したRyzen Mobileと同じく、基本的なアーキテクチャはデスクトップ向けのRadeon RX Vegaシリーズと同じ |
加えて、グラフィックス機能は動作クロック1,300MHzの「Radeon RX Vega 10 Graphics」を搭載。競合のIntel製CPUに対して、CPU内蔵グラフィックスの性能が高いことはAMDの持つ強みのひとつだが、ちょっとしたPCゲームや画像編集といった場面ではそのメリットを最大限に享受できる。本製品のような15.6インチ型のノートPCは、自宅のリビングなどで家族用として広い用途で使う場合も多いため、Ryzen Mobileはよくマッチしていると言えるだろう。
「IdeaPad 330」。カラーはプラチナグレー、オニキスブラック、ブリザードホワイトの3色をラインナップする。サンプル機材はブリザードホワイトだ |
「IdeaPad 330」は、15.6インチ フルHD(1,920×1,080ドット)液晶を採用するノートPCだ。プロセッサは先に述べた通り「Ryzen 7 2700U」で、メモリは8GB(DDR4-2400)、ストレージは256GB SSDと、いまどきのノートPCとしてツボを押さえた構成、そのうえで実勢価格が6万円台前半というのがポイントになる。いわゆる普段使いのノートPCとしての適性が非常に高く、コストパフォーマンスを求めるユーザーにとっても非常に魅力的な製品に仕上がっている。
内蔵グラフィックスのメモリはメインメモリと共有される。容量は8GBあるので、困る機会はほとんどないだろう |
バッテリー駆動時間は約4.8時間(JEITA 2.0準拠)、本体サイズはW378xD260xH22.9mm、重量2.2kgと、持ち運びに向かないことには留意する必要があるが、もともと画面サイズが15.6インチなので致し方ない点だ。そのほか光学ドライブも標準搭載で、ギガビットLAN、IEEE 802.11ac無線通信、Bluetooth 4.1に対応する。OSはWindows 10 Home 64bitだ。