エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.778
2019.09.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
第3世代Ryzenシリーズでは、メモリコントローラにも改良が加えられ、従来よりも高クロックメモリが扱えるようになった。とは言え、いくらCPUが対応しているといってもマザーボード自体の設計が悪ければ安定動作は望めない。そこで、今回は3,600MHz駆動ながら比較的安価なG.SKILL「F4-3600C19D-16GSXWB」を使い、その動作を検証してみることにした。
G.SKILL「F4-3600C19D-16GSXWB」。もともとIntelプラットフォームに最適化されているため、Socket AM4環境では、プロファイルを読み込んだ後に、微調整が必要になるマザーボードも多かった |
G.SKILL「F4-3600C19D-16GSXWB」の「CPU-Z 1.90.0」の結果。Intel XMPプロファイルを読み込むだけで3,600MHzの駆動が可能 |
こちらは比較対象として用意したJEDEC準拠の3,200MHzメモリCFD「W4U3200CM-16GB」 |
「W4U3200CM-16GB」の方は、一切設定を行うことなく3,200MHzで動作した |
比較対象として用意したJEDEC準拠の3,200MHzメモリCFD「W4U3200CM-16GB」はもちろん、G.SKILL「F4-3600C19D-16GSXWB」もプロファイルを読み込むだけで安定動作させることができた。「TUF B450-PRO GAMING」のメモリ回路設計は、かなり最適化が進んでいるようだ。
また「Sandra 20/20」のメモリ関連テストの結果を確認すると、「メモリの帯域」は約5%、「メモリのレイテンシ」では、「W4U3200CM-16GB」がかなり緩めの設定であることもあり約4割もの差がついた。あくまでオーバークロック動作になるため、使用は自己責任になるが、性能を重視するなら高クロックメモリの導入を検討してみるのもいいだろう。
「TUF B450-PRO GAMING」では、電源回路に発熱の少ない高品質なパーツと、大型の冷却ヒートシンクを組み合わせることで、高負荷時の安定性を高めているという。そこで、実際にストレステストを動かし、CPU周りの温度をチェックしてみることにしよう。ストレステストには、「OCCT 5.3.1:CPU:OCCT」を使い、30分動作させた際の温度と、起動直後10分間放置した際の温度をサーモグラフィーで測定した。なおCPUクーラーは、リファレンスクーラー「Wraith Prism with RGB LED」を静音重視の“Lモード”で使用している。
アイドル時のサーモグラフィー結果 | 高負荷時のサーモグラフィー結果 |
コアクロック、電圧とも低く抑えられるアイドル時は、CPUソケット右側のヒートシンクが36℃前後、上側が40℃前後。高負荷時でも、右側が45℃前後、上側は43℃前後までしか上がらなかった。「Wraith Prism with RGB LED」がトップフロータイプのCPUクーラーということもあり、クーラーから吹き付ける風を使い、効率的に電源回路の冷却ができているようだ。