エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.785
2019.10.15 更新
文:松野 将太
Intel環境でも、AMD環境時のテストと同じベンチマークを実施した。先ほどと同じく、まずは「Sandra 20/20」の「メモリの帯域」と「メモリのレイテンシ」のスコアをチェックしよう。計測はIntel環境の定格であるDDR4-2666と、XMPプロファイルを適用したDDR4-3200のスコアで行っている。
AMD環境と同様、整数メモリ帯域、浮動⼩数点メモリ帯域とも約5GB/sec帯域が向上した。第9世代Coreプロセッサを使用する場合、3,200MHzはオーバークロック動作となるが、性能を考えれば適用しておくべきだろう。
続いて「CINEBENCH R20」で、それぞれのメモリクロックで動作させた際のスコア、システム全体の消費電力を見ていこう。計測にあたっての条件はAMD環境でのテストと変わらない。
わずかながら3,200MHz動作時にスコア上昇がみられるものの、誤差の範囲だろう。消費電力についても、AMD環境と同じく極端な差は出ていない。
最後は「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果だ。
GPUが異なるため、AMD環境での計測よりも大きな差が出ているように見えるが、実際のスコア差は約6%前後。平均fpsは、3,200MHz動作時が平均173fps、2,666MHz動作時は約168fpsで、メモリクロックを上げるだけで5fps程度の改善がみられる。PCゲームにおいて、ハイエンドCPUやGPUの性能をより活かしたいのであれば、OC動作を選択するのが良さそうだ。
「KLEVV BOLT X」DDR4-3200動作モデルの実勢価格は、4GBモジュールが4,000円前後、8GBモジュールが6,400円前後、16GBモジュールが12,100円前後。SK Hynixのメモリチップを使用しつつ価格は安価に抑えられている。なお容量と価格のバランスを考えると8GBまたは16GBモジュールがねらい目だろう。専用ユーティリティやLED発光といった流行りの機能がないぶん、扱いは単純で、PC内部の見た目にもスマートな印象を与えられる。
良く言えば“渋い”、悪く言えば“派手さがない”製品とは言えるものの、個人的にはそのシンプルさ、潔さに好感を覚えた。第3世代Ryzenでの定格運用メモリとして、また第9世代Coreプロセッサと合わせて使うOCメモリとして、「KLEVV BOLT X」は購入の選択肢に入れるべき製品のひとつと言えるだろう。
協力:ESSENCORE