エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.787
2019.10.19 更新
文:松野 将太
ここからは、メモリクロックによるPCのパフォーマンスへの影響をベンチマークテストで見てみよう。まずは「Sandra 20/20」の「メモリの帯域」と「メモリのレイテンシ」のスコアをチェックする。AMD環境ではDDR4-3200が定格となるため、DDR4-3200とDDR4-3000、2つのD.O.C.P.プロファイルを適用してスコアを比較している。
DDR4-3200で使用することで、「整数メモリ帯域」はおよそ1GB/sec、「浮動小数点メモリ帯域」は2GB/secほどスコアがアップした。わずか200MHzの違いではあるが、帯域幅への影響はそれなりにあると言えるだろう。また、レイテンシも若干ではあるがDDR4-3200動作時のほうが改善されている。
CPUの定番ベンチマークである「CINEBENCH R20」では、それぞれのメモリクロックで動作させた際のスコアと、システム全体の消費電力を見てみよう。起動後10分間何もしなかった際の電力を「アイドル時」、「CINEBENCH R20」のマルチスレッドテスト実行時の最大値を「高負荷時」として、ワットチェッカーで計測している。
このテストでは、メモリの速度によるスコア差がほとんどつかず、消費電力にも大きな変化は見られなかった。テスト自体がメモリをそれほど利用しないため、このような場合は誤差程度の結果に留まる。メモリOCに関しては、一般的な範囲であればあまり電力を気にする必要はないだろう。
ゲーム系ベンチマークでメモリによるスコア差がどの程度つくかを見てみよう。フルスクリーン設定、解像度1,920×1,080ドット、最高品質の設定で「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」を実行し、スコアを比較している。
スコアにして約500、およそ3%程度と有意な違いが出た。PCゲームに関してはメモリのオーバークロックがフレームレートの若干の底上げになることも多いため、ハイクロックで回るメモリを推奨したい。