エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.790
2019.10.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
次にレール式のシャドウベイユニットに、3.5インチHDDを搭載してみよう。最大収納数は3台。ここでは2台のHDDを用意し、中断と下段に搭載テストを試みた。特筆すべきこと、さらに注意点は別段見当たらない。強いて言えば左右のABS樹脂製レールは、3.5インチHDDのネジ穴にピンを合わせているだけなので、しっかりとレールがロックされるまでは簡単に脱落してしまう。HDDだけに固定まで丁寧に扱おう。
コネクタは右サイドパネル側に向けてマウント。装着後のクリアランスは十分で、SATAケーブルの接続は無理なくできる |
右サイドパネル側だけで多くのストレージが搭載可能。意外にも「Silencio S600」の収納力は高い事が分かる |
最後に左サイドパネル側から、ボトムカバー上部に3台の2.5インチSSDを搭載してみよう。搭載方法はマザーボードトレイ背面同様、固定用ゴムとSSDスクリューを使ったツールフリー式だ。
コネクタをマザーボード側に向けて2.5インチSSDをマウント。強化ガラス製サイドパネル越しに搭載モデルの銘柄もアピールできる |
貴重な5.25インチオープンベイに、光学ドライブをマウントテスト。するすると挿入するだけでロックが掛かる仕組み。なおベゼルはPCケース内部から左右のツメを外せばいい |
率直に感じたのは、コストパフォーマンスの良さだ。主力の「MasterBoX CM694」とは異なり、静音をコンセプトに設計された「Silencio S600」は、上位機種にある特有の重厚感こそ薄いものの、安っぽさを感じるような事は一切ない。遮音材を使ったパネル面をコツコツ叩くと、反響音が軽減され、振動が吸収される効果がハッキリと分かる。評価サンプルは強化ガラス製サイドパネル仕様の「TG」だが、市場想定売価税抜12,980円はずいぶんとお買い得ではないだろうか。
ストレージのマウント方法の最適化や、ボトムカバーの設置方法など、細かなところで上手くコストの調節が行われている。それでいて主要部分は妥協せず、老舗ブランドらしい主張のあるPCケースに仕上げた。最新機種とあって、歴代「Silencio」シリーズの中で、最も出来が良い。「PCケースにはあまりコストを掛けたくない」と考える自作派には、自信を持ってオススメしたい。多くの人が価格以上の良さを感じられるはずだ。
協力:Cooler Master Technology