エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.791
2019.10.29 更新
文:松野 将太
まずは、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.10.6797」の結果から確認していこう。DirectX 12対応のテスト「Time Spy」では、プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
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「Time Spy」テストではGeForce GTX 1660 SUPERの総合スコアが6534、Graphics Scoreが6108で、GeForce GTX 1660は総合スコアが5826、Graphics Scoreが5390と、明確にスコア差がついているのが分かるだろう。両者の違いはほとんどビデオメモリによるものだが、そのメモリを高速化したことで、GeForce GTX 1660 SUPERはGeForce GTX 1660に対して10%ものスコアアップに成功している。総合スコア、Graphics Scoreのどちらでもこの傾向は同じで、「単にメモリが変わっただけ」と甘く見るのは早計だろう。
続いてはDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
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さきほどの「Time Spy」よりもスコア差が広がっており、総合スコアで見るとFire Strikeでは約15.5%、Fire Strike Extremeでは約15%、Fire Strike Ultraでは約13%、GeForce GTX 1660 SUPERのスコアが上回った。今回の検証では扱っていないが、過去のベンチマークを参照する限り、上位のGeForce GTX 1060 Tiとの差もかなり縮まっていて、ほとんど遜色のないスコアが出せている。それでいて価格がGeForce GTX 1660並みということで、GeForce GTX 1660 SUPERはミドルレンジのGPU市場に大きなインパクトを与えそうだ。
ここからは、実際のゲームに即したベンチマークソフトでのチェックを実施していく。人気のMMO RPGの最新アップデート版「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークテストでは、描画品質を“最高品質”に設定し、1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類で計測を実施した。
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ここでも、GeForce GTX 1660との間には約14~17%、スコアに開きが出ている。平均フレームレートで見ると、フルHD解像度やWQHD解像度のテストでは約10~15fpsの違いがあり、快適なゲーミング環境を構築しようと思えば無視できないほどの差だ。GeForce GTX 1660 SUPERは、4K解像度のテストでも「とても快適」判定を獲得しており、ある程度のプレイに耐えられるだけの優秀さを発揮している。
続いては重量級タイトルである「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のベンチマークスコアをチェックしていこう。描画品質は“高品質”で、解像度は1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類で計測している。
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ハイエンドGPUを想定した“高品質”設定ではさすがに負荷が高く、GeForce GTX 1660 SUPERではフルHD解像度でも「快適」判定を出すのがせいぜいといったところ。とはいえ、ここでも14%ほどのスコア差をつけられたGeForce GTX 1660の判定はひとつ下の「やや快適」。ここまで安定して10%以上のパフォーマンス差が出ており、GeForce GTX 1660 SUPERの優位性は明らかと言っていいだろう。