エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.795
2019.11.13 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ベンチマークにおける検証が一段落したところで、テスト中におけるシステムの挙動を冷却面から振り返ろう。Ryzen 7 3700Xを冷やすサイドフロークーラー「GP-ATC800」と、GeForce RTX 2080 Tiの冷却を担う3連ファン装備の「WINDFORCE 3X」クーラー。それぞれの冷却能力を検証すべく、「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を動作させた際を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として、「HWmonitor」による計測を行った。
Ryzen 7 3700Xの最大温度は95℃とされているが、高負荷時でも最大88℃に抑えられており、十分に冷却が間に合っていることが分かる。さすがはTDP200W対応を謳うクーラーだけはあり、デュアルRGBファンの派手なイルミネーション効果に負けない冷却性能を備えている。
もう一方のGPUクーラー「WINDFORCE 3X」もまた、高負荷時の最大温度は86℃に抑制。ファン回転数にもまだ余裕があることから、ノイズと冷却のバランスを考慮して動作していることが窺える。アイドル時もファンレス状態で40℃台半ばを維持、冷却性能の高さは空冷VGAクーラーの中でトップクラスだ。
それではテストセッションの最後は、「AORUS GPC-01S」の消費電力を紹介しておこう。「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を動作させた際を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として、消費電力をワットチェッカーを用いて計測した。
搭載電源ユニットの容量は750Wだが、「AORUS GPC-01S」の消費電力は高負荷時でも445Wと、だいぶ余裕がある。アイドル時が98Wとやや高めな点は気になるものの、ピーク時の電力に不安がまったくない点は好印象。比較的長く運用した場合でも、システムを駆動させるのに十分な電力を供給してくれるハズだ。
ゲーミングマシンを購入したら、合わせて用意したいのがハイパフォーマンスなゲーミングデバイスだ。直接手に触れるユーザーインターフェイスが貧弱では、どれほど高性能なPCであっても、性能を引き出すのは難しい。
ゲーミングデバイスを個別に選ぶのが面倒なら、「AORUS GAMING PC アクセサリーキット」をセットで入手するのが簡単だ |
そこでCFD販売では、「AORUS」シリーズの高品位デバイスをセットにした「AORUS GAMING PC アクセサリーキット」を販売している。最大16,000dpiに対応する光学式ゲーミングマウス「M5」、精密トラッキング可能な大型マウスパッド「AMP900」、超高速応答・高耐久仕様のゲーミングキーボード「K9」、大口径ドライバー搭載ヘッドセット「H5」と、いずれも高性能なデバイス揃い。「RGB Fusion 2.0」対応のRGBイルミネーションも備えており、「AORUS GAMING PC」構成パーツとライティング同期できる点もポイントだ。
市場で人気の「AORUS」ゲーミング液晶で、ワンランク上の環境にタッチしよう。「AORUS KD25F」は、240Hz駆動かつ0.5ms応答の性能をもつ24.5インチモデルだ | 店頭でも品薄になっている、144Hz駆動&1ms応答の27インチモデル「AORUS AD27QD」 |
「AORUS GAMING PC」の最大の魅力といえば、「手っ取り早く、高性能で良いモノが欲しい」という欲張りなニーズに応えられる構成だろう。プレミアムラインに位置付けられる「AORUS」ブランドの製品は、いずれも性能や信頼性は折り紙付き。個々の完成度が高いだけに、それらを集めて構築したPCは、自ずとユーザーのニーズを十二分に吸収できる性能を備えている。
市場で旋風を巻き起こした第3世代Ryzenをベースに、最高峰のクーラーを備えた最強グラフィックスや最新規格の驚速SSD、堅牢設計のマザーボードと、高水準かつ同じ世界観でデザインされたパーツ群が集合。さらにそれぞれが内蔵するイルミネーションが、手間もなく同一規格で連動する。パーツを一つ一つ吟味する必要はなく、欲しい性能と機能、統一感あるデザインのゲーミングマシンが完成品で手に入るというワケだ。
もちろん“完成品”だけに、構成の融通がきかない点は今後の課題だ。CPUのアップグレードやメモリの増量といった性能のカスタマイズから、数多ある他の「AORUS」製品を搭載したいといったニーズに至るまで、BTO方式でオーダーできる仕組みが望まれる。船出から日が浅いため、設定された4グレードのラインナップも未完成であり、「AORUS GAMING PC」はまだまだ発展の余地を残している。
極めて完成度が高いパーツを組み合わせるというコンセプトをもつだけに、その可能性は無限大。決め打ちで選びやすいラインナップ構想はそのままに、自由なカスタマイズ要素がプラスされれば、「AORUS GAMING PC」はもっと面白くなりそうだ。
協力:CFD販売株式会社
GIGABYTE TECHNOLOGY