エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.802
2019.11.29 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
ここからは、実際のゲームシーンにおける電源ユニットの挙動を確かめるため、ゲーム系ベンチマークを動作させてみよう。MMORPGの人気タイトル「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ」のベンチマークテストで、グラフィックス設定を“最高品質”、解像度を3,840×2,160ドットにセットし、30分間ループで実行することにした。
消費電力は先ほどの「3DMark」とほぼ同じ260Wで、ゲームプレイ時の負荷としては一般的だ。そしてその結果だが、またしても+12V/+5/+3.3Vの最大/最小値が同じという、ブレのほとんどない安定した挙動を示してくれた。快適なゲームプレイにおける電源の安定動作は、極めて重要な要素。「TOUGHPOWER GF1 ARGB 850W GOLD」は、これ以上なくその期待に応えてくれている。
実動テストの締めくくりは、実際のゲームプレイにおける検証だ。プレイタイトルは重量級の「Battlefield V」で、リアルタイムレイトレーシング機能の「DXR(DirectX Raytracing)」を有効化した高負荷環境で検証を行う。描画品質は“最高”で解像度は3,840×2,160ドット、シングルプレイヤーモード「大戦の書」の「最後の虎」をプレイする。これまでのテスト同様に、30分間動作させた状態での挙動を確かめてみよう。
4K環境かつ「DXR」を有効化したことにより、グラフィックス面での負荷はかなりのもの。ゲームプレイ中における消費電力は最大297Wだった。
断続的に不規則な負荷がかかることの多いゲーム中ながら、グラフの変動は微細であり、フラットな出力特性を維持できていることが分かる。そして電圧変動を見てみると、+5Vの数値に違いが出た以外は、「OCCT」などこれまでのテストとほぼ同様。+12V/+5/+3.3Vともに最大/最小変動値が定格の0.01%に収まっている。80PLUS GOLD認証モデルの中でも上位間違いなしの安定性だ。
「TOUGHPOWER GF1 ARGB GOLD」のアイデンティティは、当然ながら鮮やかに発光するRGBイルミネーションということになるだろう。電源ユニットをカバー(シュラウド)で隠すケースがトレンドになるなど、コンセプトを活かすには他のパーツ選びも影響するのは確か。しかし電源用の“窓”を設けたモデルやオープンフレームケースをはじめ、RGB電源を魅せるための環境作りも楽しそうだ。
そうした魅せる環境の構築を考えるユーザーにとって、「TOUGHPOWER GF1 ARGB GOLD」のもつ優秀なライティング効果は、選択する重要なモチベーションになるだろう。側面にも露出するデュアルリングのRGBファンは、「どの方向から眺めてもキレイ」と市場でも極めて評判が高い。RGB電源のコストパフォーマンスモデルからイルミネーションの美しさで選ぶなら、まず上位に食い込んでくるハズだ。
もちろん多くのユーザーの中には、電源にRGBイルミネーションを求めない層もいることだろう。ところが「TOUGHPOWER GF1 ARGB GOLD」は、ブレのない安定した動作を実現する堅実な設計や、10年保証を支える高品質コンポーネントなど、“光らない電源”としても極めて優秀。セミファンレスのON/OFFを切り替えられるなど搭載機能も行き届いており、RGBイルミネーションも必要に応じてON/OFFできる。システムに派手さを足してみようという時には、いつでも発光させることができるというワケだ。
市場を見回すと、当然ながらさらに安価なRGB電源は存在する。しかし発光の美しさに高い信頼性まで備えたコストパフォーマンスモデルとなれば、選択肢は限られてくるだろう。
協力:Thermaltake
株式会社アスク